話を聞く気ある?インフラ投資法案はバイデン政権の共和党に対するテスト
By David Sherfinski – The Washington Times – Sunday, April 11, 2021
バイデン米大統領の2・3兆㌦のインフラ計画は、ホワイトハウスで進展に向けた議員との面会が19日に控える中、障害に直面している。
民主党左派は、メディケアと不法移民に対する恩赦について新たな要求を示したが、バイデン政権はこれを拒否しなかった。共和党は、バイデン氏が改めてこれらの要求をはねつけなければ、交渉の余地は狭まると述べた。
政権高官らは11日、5月31日の戦没将兵追悼記念日までに議会で動きがあることを望んでいると述べた。バイデン氏が自ら述べたように共和党から支持を得ることを真摯に考えているなら、これには急速な展開が必要となる。
サウスダコタ州選出の上院共和党のジョン・スーン院内幹事は、「フォックス・ニュース・サンデー」に出演し、「彼らが示した大規模かつ大胆で、ユートピア的なヨーロッパ式の社会主義的提案は、別の機会に試みることができるものだ。しかし、彼らがインフラを改善することに真剣なら、それに投票する共和党議員はいると思う」と述べた。
バイデン氏の1・9兆㌦の新型コロナウイルス救済法とは異なり、民主党議員たちは、カリフォルニアやニューヨークなど民主党寄りの州の裕福な住民が賞賛する州税や地方税控除などが法案に含まれていない場合、投票を差し控えると述べている。
革新議員団は、不法移民に市民権の道を開き、処方薬の価格を下げつつメディケアを拡大する法案など、バイデン氏の経済政策に対する要望のリストを発表した。
ピート・ブティジェッジ運輸長官は、インフラ投資と増税のパッケージの一部として、「ドリーマー」と呼ばれる若い不法移民に市民権の道を開くことを除外しなかった。
ブティジェッジ氏はCNNの「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で「それは大統領が提案した計画には含まれていない」と語る一方、「われわれは与野党から、インフラ計画と輸送インフラの財源やその中身ついて多くのアイデアを聞いている」と述べた。
ブティジェッジ氏は「たとえば明日の会合で、これらのアイデアについて大統領が耳を傾ける準備ができていることが分かるだろう」と述べた。
バイデン氏は、民主党と共和党の議員を招き、彼らが協力できる道があるか模索する。
ミシシッピ州選出で会合に出席する予定のロジャー・ウィッカー上院議員はABCの番組『ディス・ウイーク』で、「われわれはインフラ計画についてバイデン氏と交渉する用意があるが、この数兆㌦という額は私にとって高すぎる」と語った。
ウィッカー氏は、今回の交渉は、民主党が共和党からの支持を受けないまま議会審議の中で肥大化させた1・9兆㌦の新型コロナ救済法の時とは異なるべきだと述べた。
2・3兆㌦のインフラ計画は、バイデン氏が「仕事」と「家族」の計画と呼んでいるものの最初の一部にすぎない。同氏による第2ラウンドのインフラ支出は、医療保険と子育て支援を対象とし、予算額は合計で4兆㌦に近づくと予想されている。
共和党は、バイデン氏の最初のインフラ計画の7割を占める社会福祉関連への気前のよい支出と、財源のための約2・5兆㌦の増税を躊躇している。
ウィッカー氏は「中小企業の雇用創出者への課税以上に、米国民に課す悪い税は考えられないが、この法案はそれを行おうとしている」と述べた。
バイデン氏のインフラ計画の支出面には、輸送インフラに6200億㌦、高速大容量のインターネット通信網、きれいな水、送電網のアップグレード、手頃な価格の住宅のために6500億㌦、高齢者と障害者の介護計画に4000億㌦、製造、訓練および研究開発に5800億㌦が含まれる。
バイデン氏は、インフラ計画の財源として米国の法人税率を21%から28%に引き上げることを含む、2・5兆㌦相当の一連の増税案を示した。ウェストバージニア州選出の民主党のジョー・マンチン上院議員(民主党)は、その税率を支持していないと述べた。
バイデン氏とその側近は、地方のブロードバンドを拡大し、気候変動と戦い、中国などの大国と競争する必要があることを考えると、「インフラ」の定義を再考する必要があると述べている。
「インフラとは何か?」。エネルギー長官のジェニファー・グランホルムは「ディス・ウイーク」でこう述べた。その上で「歴史的に、インフラが経済を動かしていた。…高齢の親や子供がいても、人々が確実に仕事に行くことができるようにする必要がある。大統領が今週述べたように、インフラは米国人の願望を満たすために進化する」と語った。
共和党のクリス・クリスティー元ニュージャージー州知事は、バイデン氏がインフラ計画の中身について嘘をついていると述べた。
クリスティー氏は「これはケア経済であり、ケアインフラだ。それはたわごとだ」と語った。同氏は「ドナルド・トランプ氏がバイデン氏のように犬を猫と呼んだとしたら、彼が嘘をついているという事実にわれわれは憤慨するだろう。しかし、ジョー・バイデン氏の場合、どういうわけか、『まあ、それがジョーだ』というように言われる。いや、それは真実ではない」と語った。
バイデン氏がインフラ計画を売り込むために選んだ2人の閣僚であるグランホルム氏とブティジェッジ氏は、バイデン氏が戦没将兵追悼記念日までに進展を望んでいると述べた。
カリフォルニア州選出のナンシー・ペロシ下院議長(民主党)は、インフラ計画を下院で通過させるために7月4日の非公式の目標日を設定し、議会はバイデン氏の優先事項を複数の法案に分割する予定だと述べた。
連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は11日に放映されたインタビューで、米国経済は大きな回復を目前にしているが、最大のリスクは新型コロナの感染再拡大の可能性だと述べた。
「われわれが今、目にしているのは、まさに転換点にあるように見える経済だ」とパウエル氏はCBSの『60ミニッツ』で語った。同氏は「それは、広範囲にわたる予防接種と強力な財政支援、強力な金融政策支援によるものだ」と述べた。
パウエル氏は「経済が急速に成長し始め、雇用創出が急速やってくる時期にあるように思える。したがって、現在のわれわれの経済に対する主なリスクは、感染が再び拡大することだ」と述べた。
ペロシ氏は、経済回復への勢いが数兆㌦を経済に投入することにブレーキをかける理由であるという考えを拒否した。
ペロシ氏はCBSの『フェイス・ザ・ネーション』で、「われわれが外出するようになったと人々が思うことは素晴らしいが、混雑した会場やマスクを着用していないことなどは、ウイルスをどのように克服するかについての肯定的な兆候ではない。この法案は、圧倒的に本来の意味でのインフラに関するものだ」と語った。