ニュート・ギングリッチ元下院議長「米国の文明の危機」
By Newt Gingrich – – Wednesday, April 14, 2021
中国のジェノサイドや独裁を非難することはないが、ジョージア州は非難するウォーク(社会的、政治的問題に敏感)な企業幹部ら
ANALYSIS/OPINION:米国の文明が危機にさらされている。
南北戦争、第2次世界大戦の時と変わらないぐらい危険で現実的な危機だ。
この過去の2度の危機で米国が敗北していたら、米国は米国でなくなっていた。自由を求める世界の運動は大幅に弱まっていただろう。
現在、内外でそれ以上の危機に直面している。
国際社会では、台頭する中国を目の当たりにしている。その経済、科学、技術は、米国と競合するまでになっている。南シナ海では台湾への攻勢を強め、国内では、ウイグルの強制収容所、大量虐殺、チベットの仏教文化の破壊、香港の自由を求める運動への抑圧などの弾圧を行っている。すべては、中国共産党の自信の表れだ。
中国・ロシア月共同開発計画の発表は、米国主導の自由連合への全体主義体制による集団的対抗の一例だ。ウクライナ国境付近のロシア軍の動きも、全体主義国家の攻撃性を示している。
外国からの攻勢がどれほど危険なものであっても、米国内の文明への脅威と比較すれば、色あせて見える。
米国の文明が崩壊し始めていることを示すこれらの兆候について考えてみたい。
ニューメキシコ州で検問中に警官が殺害されても、支配層は気に掛けない。ミネソタ州ミネアポリス郊外のブルックリンセンターのマイク・エリオット市長は、暴動の最中に「必ずしも警官に武器が必要とは思っていない。検問を実施したりしていても、いつも武器が必要となる状況にあるわけではない」と述べた。
反警察運動が高まる一方で、2020年に264人が死亡。前年から96%増加した。ニューヨーク市では、警察に敵対的な組織が火炎瓶を使って、警察車両に火をつけた。殺人の発生率は全米で急上昇しており、2020年の増加率は36.7%で単年での増加率としては米国史上最大だった。
子供が殺害されるなど、罪のない人々への攻撃的な犯罪行為、暴力が増加している一方で、民主党のラシダ・タリーブ下院議員は「取り締まり、収監、武装はもういらない」と訴えている。皮肉なことにタリーブ氏の選挙区はデトロイトだ。デトロイトの2020年犯罪リポートによると、2020年に327件の殺人事件が起き、前年の275件から19%増加した。死者が出ていない銃撃事件は前年の767件から1173件に増加、被害者の数は53%増えた。
シアトル、ポートランド、ミルウォーキーでは、フランスのような立ち入り禁止区域が設置されたが、このような手段は米国ではあまりとられてこなかった。
ポートランドは依然、無政府主義者らの攻撃を受けている。当局者らの約束にもかかわらず、法と秩序を取り戻す効果的な対策は取られていない。
サンフランシスコでは、共産主義者の地方検事が、900㌦未満の窃盗は起訴しないと表明したことで、万引きが増加し、ドラッグストアのウォルグリーンズは、市内の10店舗すべてを閉鎖する。
米国の文明への脅威は、屋外での暴力だけにとどまらない。
ウォーク(不公正や差別に敏感)な企業幹部らは、中国のジェノサイド(大量虐殺)や警察国家のような支配を非難することはないが、ジョージア州は非難する。バイデン大統領は、ジョージア州の新選挙法について誤解して(恐らくうそをついて)いる。オールスターゲームをジョージア州からコロラド州に移せば、被害を受けるのは黒人だ。ジョージア州の黒人所有の企業の従業員は、コロラド州の8倍だからだ。さらに、コロラド州の現在の選挙法はジョージアの新選挙法よりも厳格だ。ウォークな人々にとって重要なのは、事実かどうかではなく、自身の考えが正しいと主張することだ。
大手テレビ局は、2020年の選挙で組織的にうその報道をし、トランプ大統領を敗北へと追いやった。CNNのチャーリー・チェスター氏は最近、次のように述べた。「CNNに来たのはそのためだ。見ての通り、トランプを追い出した。100%確信を持って言える。100%、CNNでなければ、トランプを追い出せていたかどうか分からない。…CNNに来たのは、それがしたがったからだ」
当然、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、MSNBC、NBC、CBS、ABCは、トランプ大統領を敗北させたのはCNNだけではないと反論するだろう。この2紙は、トランプ氏についてうそをついたことでピュリツァー賞を受賞した。
敵意、不誠実という点では、伝統的メディアよりインターネット大手の方が勝っている。ロシアのオリガルヒ(新興財閥)のように振る舞っている。7500万人以上の国民の支持を受けたリーダーを、ソ連の独裁者、中国共産党に匹敵する冷酷なやり方で消し去ろうとしている。
縁故資本主義がいっそう幅を利かせ、大きな政府、大企業は国の予算を使って互いを強化し合っている。
人種差別への補償、学校の配分、反白人・反男性的なカリキュラムなどによる露骨な差別は、政府が推進した差別と隔離への回帰だ。
カリフォルニア州では、生徒らに毎日、人をいけにえにするカルトがあがめたアステカの神の名を唱えるよう求めることを検討している。ここまでくれば、米国の文明が危機に瀕していることは明白だ。
米国であり続けるには、米国を破壊しようとする勢力に対抗しなければならない。