進歩派、「もっと大胆な」気候変動対策を バイデン氏に要求
By Haris Alic – The Washington Times – Tuesday, April 20, 2021
極左の進歩派が20日、気候変動対策「グリーン・ニュー・ディール」の推進を再開。
バイデン大統領が提案している2兆2500億㌦に及ぶ野心的なインフラ・エネルギー法案を「もっと大きく、大胆」にするよう訴えている。
民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(ニューヨーク州)は、「バイデン政権に、もっと大きく、もっと大胆にすべきだというメッセージを送るつもりかと言われれば、答えは間違いなくイエスだ」と述べた。
オカシオコルテス氏は2019年にエドワード・マーキー上院議員(民主、マサチューセッツ州)とともに、グリーン・ニュー・ディール計画を作成した。当時、計画はメディアから大きな注目を受けたものの、共和党が上院を支配し、トランプ大統領が在職中だったことから、進展することはなかった。
今は議会の両院と大統領職を民主党が握っており、マーキー氏は、潮目が変わったと強調した。
「この2年間で、グリーン・ニュー・ディールは単なる解決策でなく、革命であることがはっきりした。大胆に行動し、大胆に考え、直面している問題の規模にふさわしい計画を立て、公正に実行すべき時だと思っている」
オカシオコルテス氏は、103人の民主党下院議員がグリーン・ニュー・ディールを改めて推進することに同意したことがそれをさらに裏付けていると指摘した。
グリーン・ニュー・ディールが改めて提示される一方で、バイデン政権は、インフラ、グリーンエネルギーに関する数兆㌦に上る提案を発表した。
バイデン氏は、2兆2500億㌦を超える予算案を提示した。そのうち6200億㌦は、交通機関の更新と新設に充てられる。
また、6500億㌦は、インターネットの普及、水道、手頃な価格の住宅、送電網の整備に充てられる。一部の共和党議員らは、インフラ整備は道路と橋だけにとどめるべきだと主張しているが、バイデン政権は、高齢者の介護にも4000億㌦を要求している。
ところが、マーキー、オカシオコルテス両氏ら進歩派は、気候変動は「生きるか死ぬか」の問題であり、これでは不十分だと主張している。
左派の多くが同じように、グリーン・ニュー・ディールはインフラ、気候変動、雇用創出にとっていい方法だと主張している。
グリーン・ニュー・ディールには53兆㌦~93兆㌦が必要とみられ、目指しているのは、バイデン氏と同じ、2050年までの温室効果ガス排出の実質ゼロだ。しかし、予算も規模も政府案よりはるかに大きい。
今週提示された今回のグリーン・ニュー・ディールは、環境にいい都市にするために4年間で1兆㌦を充てている。そのうちの半分は、有色人種のコミュニティー向けで、進歩派は、これらのコミュニティーは気候変動の影響を大きく受けていると主張している。
この新計画には、公営住宅を改装してカーボンニュートラルにするための1720億㌦も盛り込まれている。
マーキー、オカシオコルテス両氏のグリーン・ニュー・ディールは、バイデン氏の2035年までに100%クリーンな電力を実現する案を支持している。ところが、グリーン・ニュー・ディールは、クリーンな電力のためには、石炭、天然ガスを含むあらゆる化石燃料を排除しなければならないとしている。バイデン氏の提案では、規制は強化するが、化石燃料による発電は継続される。
マーキー氏は、「グリーン・ニュー・ディールの時代が来た。二酸化炭素というつけを残すことはもうできない」と述べた。
「科学に関して妥協はできない。地球を救うために対策を取らねばならない。そのための技術はすでにある。経済的な裏付けもある。そうする道徳的義務がある。必要なのは、そうするための政治的意思だ」
しかし、グリーン・ニュー・ディールが上院を通過する可能性は低い。上院では、民主、共和両党の勢力が50議席対50議席で拮抗している。議事妨害を乗り越えるには、少なくとも10人の共和党議員の支持を得る必要がある。
上院エネルギー委員会の有力共和党委員ジョン・バラッソ議員(ワイオミング州)は、グリーン・ニュー・ディールは右派の間では「社会主義」とみられており、共和党の支持を得るのは難しいと指摘した。