バイデン大統領の認可取り消しで、パイプライン「キーストーンXL」建設打ち切り

(2021年6月16日)

In this Dec. 18, 2020 file photo, pipes to be used for the Keystone XL pipeline are stored in a field near Dorchester, Neb. (Chris Machian/Omaha World-Herald via AP)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, June 9, 2021

 パイプライン「キーストーンXL」の開発を行うTCエナジーは9日、建設計画の打ち切りを発表した。

 TCエナジーは、バイデン米大統領の国境を越えた建設許可の取り消しに言及しており、13年に及んだインフラ整備計画は幕を閉じる。

 TCエナジーは、約2700㌔の延長計画を打ち切ることを決めた。カナダのアルバータから米ネブラスカ州スティールシティーまで原油を運ぶ予定だったが、「包括的な見直し」と、提携相手のアルバータ州政府との協議の結果、打ち切りの判断に至った。

 同社は声明で「計画を進める建設活動は、2021年1月20日の建設認可取り消しを受けて中断された。今後は当局、利害関係者、地元住民との調整を継続し、計画を安全に終結させられるようにする」と発表した。

 共和党は、トランプ前大統領が2017年に承認した建設許可を取り消したとバイデン氏を改めて非難した。

 スティーブ・デインズ上院議員(共和、モンタナ州)は「米国の経済、雇用、環境、国家安全保障にとって衝撃的なことであり、すべてバイデン氏の失敗だ。バイデン氏が、過激な環境保護論者らの言いなりになっていることは間違いなく、モンタナ州民、米国民がその負担を負うことになる」と述べた。

 建設計画の支持者らは、パイプラインによって、地域の経済活動に巨額の資金が投じられ、何千もの直接的、間接的雇用をもたらすと主張、完成すれば、米国のエネルギー自給を強化する一方で、鉄道やトラックによる原油輸送に代わる環境的に理想的な代替手段となっていたと訴えた。

 デインズ氏は、バイデン政権が最近、ロシアからドイツに天然ガスを供給するパイプライン「ノルドストリーム2」への制裁を停止したことを指摘した。

 「バイデン大統領は、キーストーンXL計画を打ち切り、その一方で、ロシアのノルドストリーム2を支持し続けている。バイデン氏は、米国の労働者、雇用よりロシアの労働者、雇用を支持しているようだ。モンタナ州民と米国民は失望している」

 米商業会議所グローバル・エネルギー研究所のマーティ・ダービン所長は、計画中止は「北の友邦カナダとの関係に取って汚点」であり、「今後何年間も民間の投資誘致に悪影響を及ぼす」と指摘した。

 カナダのジャスティン・トルドー首相は、バイデン氏による80億㌦の建設計画の認可取り消しに反対した。バイデン氏が認可を取り消したのは、大統領就任初日だった。

 ダービン氏は「何千人もの米国の労働者が機会を喪失したことも忘れてはならない。その一部はすでに、この建設計画による仕事を失っている。学校やインフラの整備のための何百万㌦もの税収が期待されていたパイプライン沿いの地域にとってもそれは同じだ」と述べた。

 環境保護団体シエラ・クラブの事務局長マイケル・ブルーン氏は、計画中止の決定を歓迎し、「コミュニティー、きれいな水、気候を守るという共通の目的のもとに団結すれば、達成できるという証拠だ」と訴えた。

 「これは、私たちの運動の大勝利であり、これは今後も続く。これからもうむことなく、きれいな大気、きれいな水、持続可能で健全な気候へのコミュニティーの権利を復活させるために働く。今後、破壊的なパイプライン、ライン3、ダコタ・アクセスもキーストーンXLと同じ運命をたどるようにする」

 キーストーンXLは、ネブラスカ州まで日量83万ガロン(約314万リットル)を運ぶ能力を持っていた。既存のパイプラインに接続され、メキシコ湾の製油所につなげる計画だった。

 バイデン氏の認可取り消しの決定で、トランプ政権前の状態に戻ることになる。オバマ元大統領は、2015年11月にパイプライン建設を拒否した。「パリ協定」をめぐる交渉の直前であり、建設を許可すれば、気候変動での米国の指導力を削ぐとオバマ氏は主張した。

 TCエナジーの社長兼CEO、フランソワ・ポワリエ氏は、「顧客、パイプライン建設労組、地元コミュニティー、地元グループ、議員、地主、カナダ政府、業者、供給業者、業界団体、従業員」など、パイプライン建設の支援者に感謝の意を表明した。

 「このプロセスを通じて私たちは、重要な本来あるべき公正な機会を生み出し、この種のものでは初めての全工程を通じて実質排出ゼロのパイプラインを運用する産業界主導の計画を作成した。今後も、すでに認められている既存の米国の資産に再生可能エネルギーを供給する能力など、業界全体で、このような創意工夫を凝らす機会を見いだしていく」

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