米・インドネシアが合同海事訓練センターを開設

(2021年7月5日)

In this photo provided by U.S. Navy, the USS Ronald Reagan (CVN 76) and USS Nimitz (CVN 68) Carrier Strike Groups steam in formation, in the South China Sea, Monday, July 6, 2020. (Mass Communication Specialist 3rd Class Jason Tarleton/U.S. Navy via AP)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, June 30, 2021

 中国軍による南シナ海の乗っ取りを阻止するため、米国防総省は最近、インドネシアのバタム島に米・インドネシア合同の海事訓練センターを起工した。

 表向きは麻薬および国際犯罪対策センターとなっているが、この合同センターは国防総省にとって、南シナ海を中国の内海化してしまう企てに対峙する上で、周辺地域にとって重要な意味を持つものだ。

 「我々は今回の提携に満足しており、センターの落成を心待ちしている」、国防総省のジョン・サップル報道官は語った。

 同センターの建設が始まったのは、シンガポールの対岸で、戦略的なマラッカ海峡の入口にあたる島だ。この海峡にあるチャンギ海軍基地には米国の軍艦がひんぱんに停泊している。また同海峡はマレーシアのマレー半島から、インドネシアのスマトラ島に至る幅580マイルの水路だ。インド洋と太平洋を結ぶ主要な航路として、狭い海峡だが世界で最も重要な航路のひとつと見なされている。

 ジャカルタの米国大使館によれば、350万ドルを要する同プロジェクトは、「バカミア」と通称されるインドネシア海事安全保障局と、インド太平洋司令部の一機関、そして米海軍施設作業司令部、米国沿岸警備隊、それに米大使館の国際麻薬及び法律執行局によって遂行される。

 起工式に参列したインドネシアのタティット・エコ・ウィチャクソノ少将は、「この訓練センターが海上の安全保障と安心を確保するためのバカミアが、要員の能力向上をするのに重要な基盤になろう」と語った。

 タティット少将によればセンターは、船舶就航用の傾斜路、教室、事務スペース、兵舎そして厨房などからなり、12人の指導員が一度に50人まで学生を訓練する。訓練は交易海路の安全保障に焦点を当てるという。

 インドネシア駐在のソン・Y・キム米国大使は、「我が国はインドネシアの友人かつパートナーとして、国内および国際的な犯罪に立ち向かい、この地域の平和と安全を推進するインドネシアの主導的役割を引き続き支援していく決意だ」と言明した。

 インドネシア政府は、世界の主要大国から独立性を維持する従来の政策に従い、地域安全保障で米国と提携することには消極的だった。しかし国務省当局者たちによれば、インドネシアは周辺諸国と同じく、中国の軍事的覇権主義に高まる不安を漏らすようになったという。

 中国は南シナ海において、関係諸国と係争中にあり、総面積が3,200エーカーを超える島々を埋め立てし、2018年には対艦・対空ミサイルをそれらの島々に配備し始めた。

 インドネシア政府は同国の排他的経済水域に、中国船舶がひんぱんに侵入することを懸念している。しかし中国は五月、事故で沈没したインドネシアの潜水艦「ナンガラ」の船体回収を援助し、インドネシアから支持を得ている。

 昨年10月に当時の米国務長官マイク・ポンペイオ氏はジャカルタを訪問し、世界でイスラム教徒の人口が最も多いインドネシアとの関係を強化しようとした。

 ポンペイオ氏によれば、米国の海上哨戒機に整備・燃料補給を求めたが、インドネシア政府は難色を示した。しかし「米国の関与増加には本音の興味」を示したという。

 「インドネシアには中国の脅威について誤った幻想はない」、ポンペオ氏は断言した。 「インドネシアが中国の脅威にさらされたときは、自国の主権保護のために極めて断固とした意思を示した」。わずか3年前の政策からは、著しい態度の変化だ。

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