中国の危険な研究に加担するファウチ博士
By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, October 27, 2021
OPINION:有名なアンソニー・ファウチ博士は、高い地位と広範囲に及ぶ権威を有しているにもかかわらず、2年近くも世界を騒がせたものに似た病原体の病原性を悪化させる研究で中国を助ける決定を下していた。
このウイルスが悪名高い新型コロナウイルスではなかったとしても、バイデン大統領は、彼に首席医療顧問の席から退くよう命じるべきだ。(新型コロナの毒性をより強くするための)「機能獲得」の専門知識の分野で、敵側を支援するのであれば、その人物を失職に追い込むべきである。
先週、米国立衛生研究所(NIH)から連邦議会に宛てて送られた1通の書簡で、潜在的な危険をはらむ研究に米国から資金の提供があったことが確認された。ファウチ氏は、この研究が、この致死的病気の発生源と考えられている中国のウイルス研究所で行われたことを否定している。「限定的な実験」であったが、実験用マウスがコウモリコロナウイルスに感染し、病状が悪化したとその書簡には書かれていた。
ファウチ氏は、60万㌦が支給された研究は「機能獲得」には当たらないと主張しているが、その資金提供が行われた時の米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長が自身だったことは認めている。ファウチ氏は細かいことにこだわっている。いずれにしても、危険度を増したウイルスは「機能獲得」を受けていた。奇妙なことに、NIHはそのことに全然はっきりと言及しない。その厄介な言葉はNIHのウェブサイトから削除されている。
医学が、治療の一方で、人を殺すことができる研究を行うようになれば、その信頼は失われる。医療関係者らが、武漢の実験への関与をNIHが今になって認めたことに注目したことは驚くに当たらない。ラトガーズ大学の化学・化学生物学教授のリチャード・エブライト氏は、「武漢の『機能獲得』研究に資金提供しなかったという、〔フランシス・〕コリンズNIH所長とファウチNIAID所長による虚偽の主張を、NIHは訂正している」とツイートした。
ほかにも――恐らく不当に――米ドルの資金が提供されたのは新型コロナウイルスだったという結論に跳びつく者がいた。NIHはそれとは逆に、実験したのは、現在の殺人ウイルスとは異なるウイルス株だと言っている。だが、どのようなウイルスであれ、死に至る危険性を強める研究は危険である。しかも、敵性国、中国と協力してそうすることは、全く愚かなことである。
悲しいことに、自然は、この共産主義国を伝染病工場にした。中国は、1957年にインフルエンザの亜種を生み出し、推定110万人が死亡した。1968年の香港風邪はさらに100万人の命を奪った。さらにその次に、別のインフルエンザが1997年に発生し、その後、2003年にも再発生した。総死亡数は300人だった。コロナウイルスの亜種によって引き起こされた重症急性呼吸器症候群(SARS)は、2002年に中国の広東省で表面化し、26カ国に広がり、800人が死亡した。それでも、北京の科学者らは、疫病の遊技場でたわむれているのかもしれないが、米国は彼らの仲間にはならない良識を持つべきである。
バイデン大統領は、ファウチ氏に辞職を命じるべきである。責任を持たせなければ、説明義務はなく、次のパンデミックを阻止する者も出てこない。「機能獲得」業に携わった人間は、失業の憂き目を見なければならない。