米商務長官、AIチップの対中輸出阻止で予算増額を主張
By Guy Taylor – The Washington Times – Sunday, December 3, 2023
ジーナ・レモンド米商務長官は、機密性の高い人工知能(AI)マイクロチップ技術の中国輸出を阻止するための資金を米政府は大幅に増やす必要があると主張した。レモンド氏は、中国当局が拡大された米政府の輸出規制を強引に逃れようとしていると警告している。
レモンド氏は週末に開催された「レーガン国防フォーラム」で、商務省の産業安全保障局(BIS)は民間企業の最も機密性の高い技術の輸出制限を統制しているが、その予算が大幅に不足していると述べた。
「BISの現在の予算は10年前と変わっていない」。同氏はロナルド・レーガン大統領図書館で開催された年次フォーラムで聴衆にこう語った。
「民主党議員からも共和党議員からも、『なぜもっとやらないのか? なぜもっと人工知能を管理しないのか? なぜもっと半導体を管理しないのか?』と絶えず電話がかかってくる」
同氏はその上で、「私も同意見だ。与えられた予算は2億㌦で、それでは戦闘機2機分程度の費用にしかならない。これは正気だろうか? だから米国を守るために必要なことができるように、資金が必要なこの任務に資金を提供してほしい」と訴えた。
レーガン・フォーラムでは米中間のAI競争が大きく取り上げられた。議員や技術・防衛産業のリーダー、米軍司令官による議論は、中国軍と米軍双方によるAIの兵器化を巡る話題に何度も移った。
あるパネルでは、「米国と中国共産党の戦略的競争に関する下院特別委員会」のマイク・ギャラガー委員長(ウィスコンシン州選出)が、中国はAIを使って「戦争マシンを劇的に向上」させ、「全体主義的監視国家を樹立」しようとしていると指摘した。
米インド太平洋軍のジョン・アキリーノ司令官は別のパネルで、AI競争の利害関係を強調し、中国は「海空、陸上、宇宙、サイバースペースのすべての領域にわたり、通常、戦略核の両分野で、第2次世界大戦以降、史上最大の軍拡を驚異的なスピード」で行っていると主張した。
アキリーノ氏は、米軍にとってAIは、米中の緊張がますます高まる東アジアにおいて、米国の防衛・抑止戦略にすでに組み込まれていると述べた。
同氏はまた、米軍が持つ「最大の優位」の一つは、「シリコンバレーの人々のイノベーションを活用し、その能力を戦争遂行要件に組み込む」潜在能力であると強調した。
特にインド太平洋軍司令部について、同氏はAIによって米軍の「意思決定の優位性」、つまり潜在的な敵に対して優位を維持する戦術的意思決定プロセスの支配的地位を支えることができると述べた。
アナリストによれば、中国軍の司令官たちも、AIが世界の軍事思想を劇的に変革する可能性について同様の見解を持っているという。中国政府はAIを今世紀半ばまでに支配したい技術分野の一つと位置付けている。
AIは、先端マイクロチップや半導体に依存している。米企業が開発した最先端チップの設計を中国が盗用していることへの懸念から、バイデン政権は近年、機密性の高い米国のハイテク分野の対中輸出に規制をかけ始めた。同政権はまた、オランダ、ドイツ、韓国、日本、台湾など先端チップを生産する同盟国との協調を模索し、中国のAIの進歩を制限することを目指している。