米、アジアに地上発射型トマホーク配備へ

(2023年12月8日)

米海軍提供の画像で、2018年4月14日、シリアの7日の化学兵器使用に対する軍事対応の一環として、誘導ミサイル駆逐艦USSラブーン(DDG 58)がトマホーク陸上攻撃ミサイルを発射する。(Kallysta Castillo/U.S. Navy via AP)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, November 29, 2023

 チャールズ・フリン米太平洋陸軍司令官(陸軍大将)は最近、陸軍がまもなくこの地域に地上発射型の中距離巡航ミサイル「トマホーク」を配備すると発表した。

 フリン氏によると、トマホークは試験が行われ、今後数カ月以内に配備されるが、場所は非公開だという。

 トマホーク配備は、この地域の防衛力増強の一環であり、中国の台湾への軍事攻撃を阻止することを目的としている。

 フリン氏はカナダのノバスコシア州ハリファクスで開かれた安全保障会議で「試験が実施され、すでに1、2基はそろっている。2024年にこの地域に配備する。場所と時期は言うつもりはないが、配備するとだけは言える」と述べた。

 地上発射型トマホークは、地形追随精密誘導ミサイルで、最大1500マイル(約2400㌔)の射程を持つ。

 ミサイルが米本土に配備されるかどうかを尋ねられたフリン氏は明言を避けた。

 フリン氏はハリファクス国際安全保障フォーラムで「この地域に配備するが、西海岸ではない」と語った。

 グアムでは、台湾を脅かす中国軍のほとんどがいる中国の福建省や広東省には到達できない。ありうるとすれば、日本の沖縄か、フィリピンあるいは台湾だ。

 1983年に最初に配備されたトマホークは、軍の最高の長距離攻撃兵器の一つであり、1991年の湾岸戦争で披露された。この戦争では潜水艦から12発、水上艦から276発の合計288発のトマホークがイラクを標的に発射された。現在、トマホークは中国抑止の中核であり、この地域に配備される兵器の重点を防衛ミサイルから攻撃兵器にシフトさせる取り組み中核をなしている。

 中国の国営メディアは今週、トマホークの配備は「台湾問題」における米国の挑発的干渉に当たると警告し、その動きは周辺国から反対されるだろうと予測した。

 中国共産党傘下の環球時報は、中国の玄関口にトマホークを配備することは米国が中国との紛争に備えている合図であり、ソ連が米国本土近くのキューバに中距離ミサイルを配備した1962年のキューバ危機と同様の緊急事態を引き起こす可能性があると警告した。

 8月にこの場で明らかにしたように、日本とオーストラリアによるトマホーク・ミサイルの購入は新たな戦略の一部だ。オーストラリアはその月に200発以上の購入計画を発表し、日本はそれ以前に400発購入すると発表した。どちらも洋上ミサイルとされる。

 防衛アナリストは、このミサイルは中国が最も恐れる兵器の一つだと言う。特に、巡航ミサイル発射艦に改良されたオハイオ級原子力潜水艦4隻は、中国軍にとって大きな懸念事項であると言われている。

 低高度ミサイルは防空で反撃するのが難しく、最大時速567マイル(時速約912㌔)で飛行する。中国近海に展開されている従来型の潜水艦はそれぞれ最大154発のトマホークを搭載でき、もし潜水艦4隻すべてが配備された場合、合計616発となる。

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