「性別は2つだけ」Tシャツ、学内で禁止 着用求め提訴も棄却
By Valerie Richardson – The Washington Times – Monday, June 10, 2024
連邦控訴裁判所は、学校で「THERE ARE ONLY TWO GENDERS(性別は2つだけ)」とプリントしたTシャツを着ることを禁じられた中学2年生の訴えを棄却した。控訴するとみられている。
第1巡回裁判所(高裁)の陪審員は、3対0でミドルボロー公立学区の主張を支持する裁定を下し、「ミドルボローでの服装規定の適用に関して、同校の主張と違う判断を下す理由はない」と主張、特に「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」の服装の禁止規定を重視したことを明らかにした。
オバマ元大統領が任命したデービッド・バロン裁判長は、9日に発表された70ページの意見書で、「シャツがトランスジェンダーまたは(従来のジェンダー規範に異議を唱える)ジェンダーノンコンフォーミングの学生のジェンダーアイデンティーを辱めるものであるならば、われわれはミドルボロー公立学区に同意する。それは他の宗教、人種、性別、または性的指向を軽視した場合に劣らず、その人を深く傷つける可能性がある」と述べた。
中学生のリアム・モリソン君の代理人である「自由防衛同盟(ADF)」(保守的なキリスト教の法的擁護団体)は、控訴する可能性が高いと述べ、第1巡回裁は「過ちを犯し、リアム君の言論の自由の権利を否定する決定を下した」と主張した。
ADFの上級弁護士デービッド・コートマン氏は「この裁判はTシャツに関するものではない。公立学校が中学生に、所属する学校とは異なる意見を表明することは許されないと言っていることに関する裁判だ。この学校はポスターや(LGBTによる)『プライド』イベントを通じてジェンダーに関する見解を積極的に支持し、それに沿ったテーマのメッセージ入りの服を着ることを学生に奨励しているが、それは学校の見解に沿ったものである場合だけだ」と語った。
コートマン氏は「政府は、賛同できないからといって、人を黙らせることはできない」と述べた。
マサチューセッツ州ミドルボローのジョン・T・ニコルズ中学校2年生のリアム君は昨年、「性別は2つだけ」とプリントしたTシャツを脱ぐことを拒否し、家に帰された。その後、同じシャツを着たが、「性別は2つ」の文字にテープが貼られ、そこには「検閲」と書かれていた。
そのテープを貼ったシャツを脱ぐよう言われ、脱いだ。学校での1日を再び逃したくなかったからだ。
リアム君によると、学校はリアム君のTシャツは禁止したけれども、生徒には「プライドの服を着て、プライド月間を祝う」ことは奨励している。
ADFの動画でリアム君は、「学校は、人が男性なのか女性なのか、あるいは他の何かなのかは、その人たちが感じることだけで決まるもので、生物学的な性とは関係がないと考えている。会話、廊下の展示、課外活動のイベントを通して、そうした考え方を聞くことなしに一日を過ごすことはない。先生や校長のように私も信念を持っており、それらを共有することは問題ないと思っている」と述べた。
バロン氏は、1969年のティンカー対デモイン独立地域学区裁判での最高裁判所の判決を引用し、学校は「具体的かつ実質的に」学校の規律に反する、または「他者の権利の侵害」となる生徒の言論を制限することが認められていると述べた。判決はベトナム戦争に抗議するために黒い腕章を着けた生徒を支持した。
「問題はTシャツを禁止すべきだったかどうかではない。教育者か連邦判事か、誰がそれらを禁止するかどうかを決めるべきかだ」
同氏はまた、ティンカー判決など過去の判例を基に、「この事例において、憲法が、ニコルズ中で何が『学習に資する環境』となるかについての微妙な(そして結果として下される可能性のある)判断を、現場に最も近い教育者ではなく、私たちに委ねているとは言えない」と述べた。
マサチューセッツ州連邦地方裁判所は2023年6月、リアム君の仮差し止め命令を求める申し立てを却下した。マサチューセッツ家族研究所もリアム君の代理人を務めており、昨年9月に控訴した。
リアム君の次の措置としては、第1巡回区での大法廷審理を求めること、最高裁判所の再審理を申請することなどがある。