LGBT自認する米学生が急減―研究

(2025年10月20日)

2025年2月9日、シアトルのシアトル小児病院外で行われたトランスジェンダー権利支持デモで、抗議者がトランスプライド旗を背景にシルエットとなる。(AP通信/リンジー・ワッソン、ファイル写真)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Tuesday, October 14, 2025

 最新の研究によると、男性でも女性でもない「ノンバイナリー」を自認する若年層米国人が、2023年をピークにほぼ半減した。

 英イングランドのバッキンガム大学政治学教授で異端社会科学センター所長を務めるエリック・カウフマン氏が分析した5つの調査のうち3つで、「男性でも女性でもない」と回答した大学生の割合が2023年から2025年にかけて大きく減少した。

 14日に発表された報告書「若年層米国人におけるトランス・クィア・アイデンティティーの衰退」は「教育を受けた若年層米国人の間で、トランスジェンダー、(性自認、性的指向が定まっていない)クィア、バイセクシュアル(両性愛)を自認する人が急速に減少している」と指摘している。

 報告は、トランスジェンダーの減少に言及しているにもかかわらず、トランスジェンダーの一般的な定義(ただし唯一の定義ではない)である「反対の性を明確に自認する若い米国人」の数に関するデータを提供していない。

 国内最大のLGBTQ団体であるヒューマン・ライツ・キャンペーンは、トランスジェンダーを「出生時に割り当てられた性別に基づく文化的期待とは異なる性自認および/または性表現を持つ人々を示す包括的用語」と定義している。

 調査は、個人権利表現財団(FIRE)が毎年実施する5万人以上の大学生対象の世論調査を取り上げており、これによると「男性でも女性でもない」と回答した学生は2023年の6.8%から2025年には3.6%に減少した。

 減少を示した他の調査には、アンドーバー・フィリップス・アカデミーの年次調査と、ブラウン大学学生新聞「ブラウン・デイリー・ヘラルド」が実施した同大学生の調査がある。

 アンドーバー・フィリップス・アカデミーの調査では、2023年に9.2%の生徒が男性でも女性でもないことを自認していたが、この数値は2025年には3%に急落した。

 ブラウン大学でも同様の傾向が確認され、2023年には5%の学生がノンバイナリーと回答したが、2年後にはわずか2.6%となった。

 カウフマン氏はオンラインメディア「アンハード」での分析で、下級生は上級生に比べてトランスジェンダーやクィアを自認する傾向が低く、「傾向が変化している兆候」と指摘した。

 この調査からは、クィア、パンセクシュアル(全性愛)、アセクシュアル(無性愛)などの用語で自己を表現する学生の減少を受けて、非異性愛者を自認する学生数が約10ポイント急落したことも判明した。

 FIREの調査によれば、一方で、異性愛を自認する学生の割合は2023年に68%で底を打った後、2025年には77%に上昇した。

 アンドーバー・フィリップス・アカデミーの調査データが示すように、ゲイやレズビアンを自認する学生の数は「ほぼ横ばい」の状態が続いている。

 減少の理由は、反「ウォーク(性別などによる差別に敏感であること)」の「雰囲気の変化」や宗教的所属、ソーシャルメディアの変化が要因と思われがちだが、調査ではこれらの要素に有意な変化は認められなかった。

 カウフマン氏は「若年層でのトランスジェンダーやクィアの自認は減少している。一方で『ウォーク』や無宗教の傾向は変わらない。若者にとって、性別や性自認は今や独立した流行であり、他の文化的・政治的潮流とは関係なく、流行ったり、廃れたりする」と指摘する。

 変化した要因の一つは精神衛生だ。若年層の精神疾患は2010年代に増加を続け、2021年にピークを迎えた後、2023年までに改善した。

 研究では精神衛生の改善が影響したとしつつも、この要因だけでは「トランスジェンダー、クィア、バイセクシュアルの割合の減少を十分に説明できない」と指摘している。

 報告は「新型コロナ大流行の後、精神衛生は改善していき、同時に性的指向や性自認の変化も進んだが、この2つの傾向は時間的に実質的に連動していないようだ」と記した。

 カウフマン氏は、この「驚くべき」調査結果がトランスジェンダー運動を支持するリベラルな人々の間で歓迎されない可能性が高いと述べた。

 報告は「若年層でのBTQ+(バイセクシュアル・トランスジェンダー・クィア)自認の大幅な減少が継続するかは時間がたたなければ分からない」としつつも、「もし継続すれば、米社会における重大かつ予期せぬポスト進歩的文化変容を示すものであり、教育機関や伝統的メディアの文化的左派の予想とは明らかに異なる」と指摘している。

 報告は高等教育研究所の新入生調査データも引用しているが、この調査には性自認に関する質問項目は含まれていない。

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