トランプ陣営が次期政権の人選開始 国防長官候補にポンペオ氏の名も
By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, November 6, 2024
5日に行われた大統領選でドナルド・トランプ前大統領が勝利したことで、国家安全保障の重要な上級職を含め、彼の家族や主要支持者が率いる政権移行チームを通じて、次期政権の幹部の人選が動き出した。
審査に当たるのは、J.D.バンス次期副大統領とトランプ氏の息子、ドナルド・トランプ・ジュニア、エリック・トランプ両氏だ。
公式な政権移行チームの共同議長は、金融会社カンター・フィッツジェラルドの最高経営責任者(CEO)で億万長者の実業家ハワード・ルトニック氏と、トランプ前政権で中小企業庁長官を務めたスポーツ・エンターテインメント企業の元幹部、リンダ・マクマホン氏だ。
選考は非公開で行われ、候補者が有能であり、隠し事がないかどうかを確認する。
また、その過程で、高い地位を争う候補者による熾烈な駆け引きが始まると予想される。
マクマホン氏とルトニック氏は6日の共同声明で、政権移行チームは次期政権の準備を進めていると述べた。
「これから数日、数週間のうちに、トランプ大統領は、彼のリーダーシップのもとでわが国に奉仕し、国民の生活を安価で安全、安心なものにする政策を実現するための人選を行う」
トランプ氏は過去に重要な選択で重大なミスをしてきた。石油企業の幹部だったレックス・ティラーソン氏を国務長官に充てたが最終的にはツイッター(現X)で解任、退役海兵隊大将のジョン・ケリー氏を首席補佐官としたものの、トランプ氏を中傷するような発言が相次いだ。これらの発言の他の当局者らによる裏付けは取れていない。
陣営に近い筋からは、次期政権の国務長官と国防長官のポストに前政権時での忠実な人物を充てることを考えているという見方が出ている。
国務省のポストには、トランプ政権の最後の国家安全保障担当補佐官だったロバート・オブライエン氏が有力視され、国防長官の重要ポストにはマイク・ポンペオ前国務長官が選ばれる可能性があると言われている。
米陸軍士官学校を卒業したポンペオ氏は、FOXニュースに対し、第2次トランプ政権に「仕えることを光栄に思う」と語った。
国防長官の候補には、陸軍レンジャーのベテラン、トム・コットン上院議員の名も挙がっているとされ、元国家情報長官代理のリック・グレーネル氏も国務長官候補に挙がっている。
トランプ氏は「アメリカ・ファースト(米国第一)」の外交・国防政策を掲げ、ウクライナや中東での戦争を終結させる一方、中国による台湾攻撃を抑止すると主張。来年1月の就任前にウクライナでの紛争を終結させることができると述べている。
元不動産王のトランプ氏は、第1次政権では経済・貿易政策を重視した。
選挙戦で示された主要政策には、中国への関税の引き上げや米軍の再建などが含まれていた。
トランプ陣営に近い人物によると、コットン氏は当初国務長官のポストを狙っていたが、現在は別の閣僚ポストを狙っているという。ビル・ハガティ上院議員(共和党、テネシー州)も国務長官のポストを狙っていると言われている。
元国家情報長官ジョン・ラトクリフ氏も国防長官候補の一人。
退役陸軍中将キース・ケロッグ氏は大統領補佐官(国家安全保障担当)の有力候補。マイケル・ウォルツ下院議員(フロリダ州)は国家安全保障ポストを狙っており、トランプ氏は好意的だと言われている。