中国から電波妨害装置密輸が急増 国土安保省が警告

(2025年6月26日)

2025年4月9日水曜日、ワシントンの移民税関捜査局本部の演壇に掲げられた国土安全保障省のシール。(AP写真/アレックス・ブランドン)

By Bill Gertz – The Washington Times – Thursday, June 19, 2025

 中国系ハイテク企業が電波妨害装置(ジャマー)を米国に密輸し、民間航空と公共の安全に脅威を及ぼしているとして、国土安全保障省が警告した。

 国土安保省は18日の声明で、2021年以降、中国製ジャマーの密輸が830%増加、中国企業は税関・国境警備局(CBP)の検査をすり抜けようとしていると指摘した。

 「ジャマーによって、さまざまな周波数の電波信号が妨害を受ける可能性があり、緊急対応、警察、重要インフラに脅威を及ぼす」

 同省によると、南米からの不法移民は、住宅侵入や銀行強盗の際、地元警察への通報を妨害するためにジャマーを使用している。これらの装置は、フロリダ、イリノイ、オハイオ、ペンシルベニア、テキサス、バーモント、バージニアの各州で犯罪に利用されている。

 2月、テキサス州の警察当局は、チリ出身の不法移民の逮捕時にジャマーを押収し、昨年12月には、窃盗事件への警察対応中に犯罪者が妨害装置を使用した事例があった。

 国土安保省の報道官は「信号妨害装置は、不法移民が全国で警察の作戦、銀行強盗、窃盗などの危険な犯罪の最中に通信を妨害するために使用されてきた。中国メーカーが信号妨害装置の密輸を試みており、私たちはこれらのテロツールを継続して押収していく」と述べた。

 連邦法では、警察の通信、全地球測位システム(GPS)信号、レーダーを妨害する可能性のあるジャマーの非政府機関による輸入、使用、販売、マーケティングは禁止されている。

 オンラインでは、さまざまなジャマーが販売されている。価格は50~3万2000ドルまで幅広く、GPS、携帯電話、ブルートゥース、無人航空機の信号を妨害する能力を持つ。

 米国では、これらの装置の使用は、緊急通信、警察無線などの通信を妨害する可能性があるため違法になっている。

 高出力のジャマーは、危機や紛争時に中国の破壊工作員が米軍部隊に対して電子戦攻撃を行う際に使用される可能性がある。

 中国軍は、米軍を標的とする広範な電子戦能力を開発している。これは、米中経済安全保障調査委員会の2024年年次報告書で指摘されている。

 中国軍は、電子情報システムを妨害するために電磁波や指向性エネルギーを使用している。

 報告書は、中国の電子戦能力が「紛争時に米軍と同盟軍が作戦に必要とするデータリンクと通信を妨害することで、米軍に重大な課題をもたらす」と指摘している。

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