中国軍、米爆撃機の情報収集を強化か

2025年6月22日日曜日、ホワイトマン空軍基地に到着したB-2爆撃機。(AP Photo/David Smith)
By Bill Gertz – The Washington Times – Thursday, June 26, 2025
中国共産党は、21日にイランに対して行われたB2爆撃機の秘密作戦を成功させるために米国防総省がグアムにB2を向かわせていたことを受け、トランプ大統領と米軍の攻撃能力に関する情報分析を強化するとみられている。
元国務省中国担当官のジョン・タシク氏は「習近平国家主席は現在、情報機関に対して、第1次トランプ政権時と、それ以前のドナルド・トランプ氏の核兵器に関する発言について、改めて評価するよう求めている」と述べた。
中国国家安全省による情報収集の強化で、2018年のシンガポールと2019年のハノイでの米朝会談でトランプ氏との間で交わされたやり取りの詳細について、北朝鮮の金正恩総書記に問い合わせることもありうるとみられている。
中国は、トランプ氏が攻撃用兵器について高度な知識を持っているかどうかも知りたいはずだ。
タシク氏はまた、中国は、トランプ政権が、中国に対する核戦争計画「単一統合作戦計画(SIOP)」でのB2の使用を更新したかどうかも把握しようとするはずだと述べた。
「重要なのは、B2爆撃機の展開、その支援と補給インフラがグアムに配置されていることが、習近平氏に大きな懸念を与えている点だ。台湾だけでなく、フィリピン、南シナ海、日本に関する計画にも影響を及ぼすからだ」
タシク氏によると、中国の衛星偵察・監視ネットワークが先月、ディエゴガルシアに複数のB2が展開していると警告を発していた。「そのため、彼らは空輸可能なB2支援部隊を探し回り、この前例のない戦略爆撃キャンペーンを空軍がどのように計画し組織化したのかを把握しようとしている」
B2の監視を担当する中国人民解放軍(PLA)の部隊は、イラン攻撃に驚いた可能性が高い。なぜなら、トランプ氏が何を計画していたか誰も知らなかったからだ。PLAはまた、イラン爆撃の決定が2週間後だと発表したトランプ氏にだまされていた可能性もある。
イラン攻撃後、PLAの情報機関は、米爆撃機基地の映像、空中給油部隊の展開、地上の準備の状況から逆算し、爆撃機の指揮統制システムからの指標やテレメトリデータを捜索した可能性が高い。
グアムはイランよりも中国と北朝鮮の戦略目標に近い。タシク氏は、PLAの分析官はおそらく、B2の西太平洋での作戦を支援するにはグアムの基地の大規模な改修が必要になると考えていると述べた。
同氏によると、国防総省が将来の台湾での紛争で、中国の強化されたミサイル・核施設への攻撃を検討しているなら、PLAにとって戦略的環境は大きく変化することになる。
「PLA空軍は現在、困惑しながらも、『B2爆撃機が数機攻撃したところで、中国で一体何ができるっていうのか』と考えている。B2で中国を攻撃すればは、一瞬で(戦争に)エスカレートする」