ポンペオ氏、中国のウイルス研究所が世界を脅している
By Bill Gertz – The Washington Times – Tuesday, February 23, 2021
ポンペオ前米国務長官は、ウイルス研究を行っている中国研究所が複数あり、世界にとって脅威だと指摘、中国政府は新型コロナウイルスの世界的感染に責任があると主張した。
ポンペオ氏と、国務省でアジア政策の立案を担っていたマイルズ・ユ氏はコラムで、「新型コロナが武漢で発生したことを示す証拠は、ほとんどが状況証拠ではあるが、無数にある。その多くは武漢ウイルス研究所(WIV)が発生源であることを示している」と指摘した。
「米国では、この研究所に関する懸念が広範囲、超党派に広がっている。バイデン政権は、世界保健機関(WHO)による感染拡大の初期段階への調査、とりわけ中国政府による調査員らの作業への干渉に『強い懸念』を持っていることを表明した」
ポンペオ、ユ両氏は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で、中国はウイルスに「執着」し、実験室での危険な実験を進めており、この10年間で2000種近い新ウイルスを発見したと指摘、この数字は、過去200年間に世界中で発見されたウイルスの数に匹敵すると強調した。
「さらにやっかいなのは、バイオセーフティーに関する党の怠慢だ。世界の保健への悪影響と危険性は非常に大きい。これは武漢発の新型コロナが示している。このような状況を続けることはできない。中国が、基本的な透明性の確保など、世界的なバイオセーフティーの水準を維持できないのならば、世界は、中国共産党の責任を問い、中国政府を罰するべきだ」
ウイルスとWIVをつなげる証拠は、ほとんどが状況証拠だが「無数に」あり、米政府は、ポンペオ氏が国務長官を退任する直前に公表した調査でそう結論付けられている。両氏によると、国務省は2018年から公電で、WIVのバイオセーフティーには問題があると指摘してきた。
公電は、新型コロナが人から人にも感染し、拡大していくことを予測。高度な安全対策を施したWIVの所長が、研究所は人類に恩恵をもたらし得るが、「大惨事につながる」こともあり得ると発言していたことを指摘している。
中国の研究所は、安全基準への技術的なサポートと水準が十分でなく、動物、設備の扱い方も適切でないと批判されている。
中国のブロガーらは、ウイルスを持ったWIVの動物がペットとして売られ、野生動物市場で売られていた可能性もあると指摘してきた。武漢の華南海鮮市場は、新型コロナの感染源の可能性が指摘されている。
さらに、WIVの生物学者、石正麗氏は、新型コロナに似たコウモリコロナウイルスに関する研究報告を発表しており、研究所でコウモリウイルスの操作が行われていたことにも触れている。石氏は2019年にも、重症急性呼吸器症候群(SARS)に似たコウモリ由来のウイルスの感染爆発が将来中国で起こり得ることも指摘していた。
ポンペオ、ユ両氏は、「当時、WIVには何万ものコウモリウイルスのサンプルと実験動物が保管されていた」が、中国政府は国際的な監視に抵抗していたと指摘している。