ダービン上院議員、議事妨害するなら本気で主張を「現状は生ぬるい」
By Valerie Richardson – The Washington Times – Sunday, March 21, 2021
民主党のリチャード・ダービン上院院内幹事は12日、「トーキング・フィリバスター(長時間の演説による議事妨害)」の復活を訴えた。民主党議員らは、少数派の共和党による法案通過の阻止に反発し、法案を阻止する能力をなし崩し的に奪っていくことを求めている。
トーキング・フィリバスターのためには議員らが、表決を阻止するために、上院本会議に登壇し、長々と話し続ける必要がある。一方、審議を続け、表決を行わない意思を表明するだけの議事妨害は「サイレント・フィリバスター」と呼ばれている。
ダービン氏はCNNの「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で、「トーキング・フィリバスターを強く支持する。すぐに上院の審議をストップさせたいなら、『そこにある法案は検討する価値すらない』と言うべきだ。相手のデスクの前に立ち、自身の決意を示すというのはやり過ぎだろうか」と述べた。
バイデン大統領は先週、民主党が下院を支配し、ホワイトハウスを抑えて優位にあることを生かして、移民、選挙、銃規制など重大な課題に関する包括的な法案を通過させるには、トーキング・フィリバスターが必要であることを認めた。
上院の規則では、議事妨害を終わらせるクローチャー(審議打ち切り)には60議席が必要であり、現在の50対50の上院では難しい。
ダービン氏は、「現状は生ぬるい。本会議場のすぐ横のクロークルームから電話をして、議事妨害をし、本会議での審議を止めようと思うと言えば済んでしまう。今はそれだけで済んでしまう。一部の上院議員は、金曜日に議事妨害を始めて、週末は家に帰り、月曜日に戻ってきて状況を確かめている」と述べた。
ダービン氏は先週、議事妨害改革を提案し、「議事妨害を大量妨害兵器として誤用するのを終わらせるための何らかの提案」を考えていると述べた。
だが、ダービン氏がずっと議事妨害に反対してきたわけではない。数年前、共和党が上院で多数派だった時、ダービン氏は、議事妨害を廃止することは、「建国の父らが作り上げた本来の上院の終わりだ。少数派を尊重しなければならない」と訴えた。
ダービン氏は、共和党もトーキング・フィリバスターの時代に戻ることを支持し、民主党と歩調を合わせてほしいと主張している。
「両党が一致して、これが妥当だ、議事妨害で自身の決意を表明するのが妥当だという点で一致してほしい」
議事妨害自体の廃止要求が、左派の間で強まっている。ティナ・スミス上院議員(民主、ミネソタ州)は今月に入って、議事妨害廃止を支持すると述べた。