共和党議員ではなく共和党支持者に呼びかけるバイデン大統領

(2021年4月11日)

President Joe Biden speaks during an event on COVID-19 vaccinations and the response to the pandemic, in the South Court Auditorium on the White House campus, Monday, March 29, 2021, in Washington. (AP Photo/Evan Vucci)

By Seth McLaughlin – The Washington Times – Thursday, April 1, 2021

 バイデン米大統領とその側近は、超党派政治の意味を独自に再定義している。

 米国の第46代大統領であるバイデン氏は、連邦議会で共和党の票を獲得するよりも、同党の有権者の支持を得ることに多くの力を投入していることを明らかにしている。

 民主党コンサルタントであるジム・マンリー氏は、「大統領が自らの政策が有権者にどれほど人気があるかを示すことで、共和党議員の孤立を図ることは、上手いやり方だと思う」と述べた。その上で「これは予想外だったが、バイデン氏は、連邦議会で共和党議員の支持を獲得する努力に時間を無駄にできないことを賢く理解している」と指摘した。

 マンリー氏は「政策を宣伝する従来の方法からの興味深い発想の転換だ。現実には、共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務と取引は結べない。少なくとも民主党が受け入れ可能な取引は」と語った。

 一方、共和党は、バイデン政権が2020年の選挙の結果を読み違えていると警告している。

 共和党議員らは、有権者がトランプ前大統領を追い出し、民主党に下院で僅差で過半数の議席を与え、50議席対50議席の上院で副大統領による決定票を与えたかもしれないが、党派的な政策を押し通すことを望んでいるという意味ではないと指摘する。

 マッコーネル氏は1日、地元ケンタッキー州で記者団に、「彼らが行おうとすることに対して、信任が得られているとは思わない」と語った。

 マッコーネル氏は「米国有権者は、彼らに我が国を一気に左傾化させるという権限を与えたとは思わないが、バイデン政権はそう考えておらず、それを実行しようとしている。これは米国にとって間違った処方箋であり、あらゆる段階でこれと闘うだろう」と語った。

 バイデン氏は2020年の選挙期間中に、ワシントンに超党派政治をもたらすことを約束し、上院議員や副大統領として、連邦議会で共和党との妥協点を探し出す能力を誇っていた。

 批判する人たちは、首を横に振った。バイデン氏の見解が時代遅れであり、国政を支配する激しい党派性と二極化という厳しい現実のチェックを受けることになるだろうと述べた。

 どこかで、バイデン氏は心変わりし、批判者の考え方を取り入れ、かなりの数の共和党の有権者が自身の中道左派のビジョンを支持することに自信を示した。

 バイデン氏は先週の最初の正式な記者会見で、「わたしは共和党議員からの支持を望んでいるが、今知っているのは、選挙において共和党有権者からの支持があるということだ。共和党有権者は私がしていることに同意している」と語った。

 バイデン政権が2兆2500億㌦規模の法案をめぐる戦いをこうしたプリズムを通して見ている。民主党が「米国雇用計画」と呼ぶこの法案は、法人税を21%から28%に引き上げ、老朽化した道路や橋、ブロードバンド、高齢者向けサービスに巨額の投資を行うとしている。

 バイデン氏は、先月の1・9兆㌦の新型コロナウイルス救済法に関する綱引きを同様の方法で見て、上下院で、共和党議員の支持を得ることなく、「調整制度」と呼ばれる予算措置に頼って巨額予算規模の法案を可決した。

 ホワイトハウスは、同計画を通過させるために再び調整制度を用いらざるを得ない可能性をよく認識しており、広報活動を加速させている。

 ホワイトハウスのロン・クレイン首席補佐官とピート・ブティジェッジ運輸長官は1日、別々のインタビューで、あらゆる思想的立場の有権者がバイデン氏の最新の計画を受け入れたと主張した。

 ブティジェッジ氏は、共和党議員が同党支持者からヒントを得ることを望んでいると述べた。

 ブティジェッジ氏はMSNBCで、「米国中の共和党支持者と民主党支持者がこれは良い考えだと信じていることを知っているので、法案に対する共和党の支持を得ることをあきらめるつもりはない。私は時々ワシントンが米国人の考えを反映していないことを知っている」と述べた。

 クレイン氏は、ポリティコ・プレイブックによるインタビューでの冒頭の発言で、最近の世論調査で、登録有権者が2対1の割合で3兆㌦規模のインフラ投資計画への支持を示したと宣伝した。

 クレイン氏は「こうした支持が、大統領就任後の最初の30日間において、米国救済計画法を通過へと導く原動力となった。私は、有権者からの支持が今回の計画を議会で通過させる原動力になると思う」と語った。

 それでも、クレイン氏は、超党派政治は大統領の計画を通過させるための前提条件ではないと主張した。

 クレイン氏は「結局は、仕事をするために大統領が選ばれたことをはっきりさせておこう。その仕事の一部は、わが国が未来を勝ち取る準備をすることだ。それをバイデン氏は実行しようとしている」と述べた。

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