共和党議員、イランへの情報提供疑惑めぐりケリー特使への予算凍結要求
By Ben Wolfgang – The Washington Times – Monday, May 10, 2021
4人の共和党上院議員が、ジョン・ケリー大統領特使がイランに情報を提供したという疑惑に国務省が応えるまで、ケリー氏の気候変動対策のための国務省の新たな計画への予算を凍結するよう求めた。
4人は、上院外交委員会のロバート・メネンデス委員長(民主、ニュージャージー州)への書簡で、国務省内にケリー氏の「気候変動大統領特使室」設置のための予算、250万㌦を停止するよう求めた。
書簡は、ケリー氏がイランのモハマド・ジャバド・ザリフ外相とのやり取りについて詳細を明らかにするまで、予算を凍結すべきだ訴えている。ザリフ氏は、最近リークされた音声の中で、ケリー氏からイスラエル軍の活動について極秘情報を伝えられたと話していた。
この4人は、共和党のテッド・クルーズ(テキサス州)、ジョン・バラッソ(ワイオミング州)、マルコ・ルビオ(フロリダ州)、トッド・ヤング(インディアナ州)ら上院議員で、全員が外交委員会の委員。書簡は「共和党の上院議員らは、ケリー氏の疑惑についての真相と内容への調査を要求した。しかし、これらの正当な要求にバイデン政権が応えるようにする議会の権限は限られている」と指摘した。
4人は、250万㌦は、ケリー氏が2017年1月~今年1月までのザリフ氏との会合、通話などによるすべてのやりとりを、イスラエル軍の活動に関係するすべてのデジタル通信の書類とともに提出するまで、停止すべきだと主張した。また、ケリー氏は、「ザリフ外相に極秘情報を漏らしていない」という誓約書を提出することも求めている。
民主党が多数派の上院でメネンデス氏ら民主党議員がこの要求を受け入れることはなさそうだが、共和党議員らは書簡で、ケリー氏が、イラン政府の重要人物であるザリフ氏と密接な協力関係にあったのではないかという疑惑の解明へ新たな圧力となった。
英ロンドンを拠点とする国際メディア、ニューヨーク・タイムズ紙が先月、イラン軍高官らの権力について話をするザリフ氏の音声を公表した。
ザリフ氏はその中で、軍からいかに情報が得られないかの一例として、シリア内のイランの支援を受けた民兵に対するイスラエルによる空爆がどの程度実施されたのかについてケリー氏から聞いたと述べている。サリフ氏によると、ケリー氏は、イスラエルがイラン人民兵の標的に対し、200回以上の秘密空爆を実施したと話したという。
ケリー氏は、そのような話はしたことがないとこれを否定している。
ケリー氏は先月、「これらの話、主張は、完全に間違っている。このようなことはなかった。国務長官の時も、その後も絶対にない」とツイートした。
国務省高官らも、この情報提供の主張に関して否定的で、イスラエル政府は2018年に200回の空爆を正式に認めていると指摘した。
しかし、2人の会話の時期について明らかにされていない重要な点がある。
ケリー氏は、2017年1月に国務長官を退任して以降、トランプ前大統領が2018年5月にイラン核合意から離脱するまでの間に少なくとも2度、ザリフ氏と会っていることを認めている。
4人の共和党上院議員らは、ケリー氏も国務省もこの点について十分な説明をしていないと主張。
書簡で「このような言い逃れは受け入れられない」と訴えている。