バイデン・ハリスの移民政策の失態
By THE WASHINGTON TIMES – – Sunday, June 20, 2021
ANALYSIS/OPINION:バイデン大統領の移民政策は、表面上は驚くほどひどいが、欺瞞(ぎまん)のようにも見える。バイデン大統領の就任後、南部国境で違法入国者が記録的な数に上ったが、それは、失敗のように見えて、実際は、意図的なもののようだ。米国民は、だまされてはいけない。
カマラ・ハリス副大統領は、政権の移民政策の担当者を選ぶくじで、貧乏くじを引き当てた。この気の進まない役目を引き当ててからほぼ3カ月、ハリス氏は、国境の緊急事態を見に行く算段を付けられないでいる理由を説明する新しいやり方が思い付かず、苦しんでいる。
米税関国境警備局によると、米当局は5月に18万件以上の国境警備上の事例を記録した。これは、2020年の同じ月の8倍だ。従って、人身売買によって人権が踏みにじられているこの場所でカメラに収まることは、副大統領が南に向かう十分な動機になる。サウスカロライナ州グリーンビルに新型コロナウイルスワクチン接種キャンペーンで立ち寄った月曜日、ハリス夫人は、「テキサスへ行け」と叫び、「国境はあっちだ」と書かれた看板を持つデモ隊に出迎えられた。
彼女は先週、移民危機の「根本原因」について、中米の指導者らと協議するための旅に出て、その途中、上空を飛んでいたので、国境地帯がどこにあるか熟知している。グアテマラを訪問中、大きな笑い声で難しい質問をかわすことで有名なハリス氏は、これから先、国境を越えようと思っている人たちに何とか、「来ないでほしい」と静かに警告を発した。
そのような、なおざりの助言など、誰も聞いていないはずだ。グアテマラ人や、ホンジュラスとエルサルバドルの同胞らが北へ向かうのは、そこに仕事と10倍の収入増があるからだ。
バイデン-ハリス・チームは、移民が米ドルに引き付けられて北へ向かっていることはよく知っており、これら北部三角地帯諸国に4年間の40億㌦の経済支援を申し出た。もっとも、移民らも算術はできるわけで、その道を歩き続ける金銭的動機を捨てることはない。ニューヨークの連邦準備銀行によると、米国の都市や町に隠し持って、2018年だけで、彼らは216億㌦相当の母国への送金を行っているという。
米国人も算術ができない訳ではなく、ハリス氏の中米での仕事は、難民を減らす措置を取ることもせずに、国境越えの急増を心配しているふりをして見せることが目的であったことは明らかである。
1100万人から2200万人に上るともみられる不法移民を帰化させると約束したり、亡命希望者が国境を越えて送り返され、申し立ての結果を待つというトランプ時代の「メキシコに留め置く」政策を終わらせたり、国境の壁の完成を中止したりすることによって、バイデン-ハリス・チームは、失策に似ているが、国境の安全がその目的だと信じる人々だけに向けた移民政策を、制定したのである。
無能は、意図を、偽装させる。つまり狙いは――将来、中には米国市民権を得る者がいるかもしれないし、そうでない者がいるかもしれないが――バイデン氏の政治的成果に永遠に投票することによって彼らの感謝の気持ちをはっきり示す移民で、米国をあふれさせることだ。米国民は、ハリス夫人の気晴らしの笑い声よりも大きな声で、自分らの不承認を示さなければならない。