母国以外の旗の下で競技するアスリートたち
By Noah Fleischman – The Washington Times – Monday, July 26, 2021
競泳のサント・コンドレリ選手が東京オリンピックで泳ぐのはイタリア選手としてだが、日本生まれのサントは2016年の五輪ではカナダ選手として、その前には米国のジュニア代表チームに所属したこともある。
米国フロリダ州ジャクソンビルに住んでいるサントは、五輪憲章の緩やかな表現のおかげで、出生国でない国の代表になれるのだ。彼の母親はカナダ人、父親はイタリア人の祖先を持っているので、サント選手はそれらの国旗の下で競技に参加できるのだ。
五輪憲章第41項によれば、アスリートが特定国の旗の下で競技する資格は、その国の国民であることだ。ただし同一のアスリートが他の国から競技したければ、最後に母国の名で競技してから3年を経過してからでなければならない。
自称、最も国際的な「国際水泳選手」であるサント選手だけではない。「YahooSpo」サイトによれば、2018年冬季五輪ではアスリートの約8%が、自らの出生国以外の国のために競技した。
また「Business Insider」誌によると2018年冬季五輪では、出生国以外の国の名前で競技した選手の数が多かったのは、米国、カナダ、ロシアの3か国だった。また、その国で出生していない選手を多く含んでいたのは、韓国、カナダ、ドイツだった。さらに「アトランティック」誌によれば、2012年ロンドン五輪に参加したアゼルバイジャン選手団の半数は帰化した市民だった。
今年の東京五輪では、ダボンテ・バーネット選手が父親の出身国ジャマイカの名の下で、陸上競技の4×400メートル混合リレーに出場する。米国マサチューセッツ州ニーダムで生まれたバーネット選手は、子供の頃にジャマイカに2年間住んでいた。
フェアファックスのロビンソン中学校を卒業したキオマ・オニェクウェア選手は、ナイジェリアチームの一員として円盤投げに登場する。同選手は米国とナイジェリアの二重国籍を持っている。
ちなみにオリンピックでは、紛争や迫害などの状況で母国を離れざるを得なかったアスリートが、五輪旗の下で競争できる「難民チーム」がある。このチームは2016年リオ五輪のときに10人のアスリートによって初めて編成された。東京五輪2020ではシリア、イラン、アフガニスタンを含む11か国の出身者、合計29名の選手団で構成されている。