中国のミサイルに備えパラオに新レーダー、グアム防衛強化へ

(2023年1月11日)

中距離ミサイルのDF-26は、米国の中枢部を射程に収めることができるため、中国は「グアムキラー」と呼んでいる。(中国国営メディア)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, January 4, 2023

 米国防総省は、南太平洋への新レーダーシステムの配備に取り組んでいる。米軍の主要拠点の一つ、米領グアムへの中国からのミサイル攻撃に備えるためだ。

 国防総省は昨年12月下旬、広域をカバーできる超水平線レーダーのパラオへの配備計画を発表した。1億1800万ドルを投じて、強化コンクリートでレーダーの基礎を設置する。

 同じ日、米防衛大手ロッキード・マーチンは、国防総省ミサイル防衛局とグアムのミサイル防衛拡充契約を交わした。国防総省では、イージス・グアム・システムと呼ばれている。

 中国の空母「遼寧」がグアム近海に初めて展開したことが明らかになっており、グアムの防衛力強化は米軍にとって急務だ。

 国防筋によると、遼寧と随伴艦が、グアム近海で演習を行い、約260回の離着艦を実施した。12月17日~27日までグアム近海にとどまり、米軍施設への監視を行っていたという。

 イージス・ミサイル防衛システムは、駆逐艦に搭載され、その効果を発揮してきたが、グアムに配備されるイージス・システムは地上配備型で、「イージス・アショア」と呼ばれる。高性能フェーズドアレイレーダーシステム「SPY7」を搭載し、全方位の空と宇宙を監視する。迎撃ミサイルには、弾道ミサイルに対処できるSM3が使用され、巡航ミサイルはSM6で迎撃することになる可能性があるという。2027年に完成する予定。

 ミサイル防衛局は昨年3月、グアム防衛の強化に約9億ドルを投じる計画を明らかにした。この計画には、イージス・システム、高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備が含まれる。THAADはグアムにすでに配備されており、イスラエル製の迎撃ミサイル「アイアン・ドーム」も一時的だが運用されている。将来は迎撃ミサイル「パトリオット」も加わり、航空機、ミサイルによる攻撃に対して「層状防衛(レイヤード・ディフェンス)」を構築する。

 中国は、中距離ミサイル「東風26」を配備している。「グアム・キラー」と呼ばれる東風26は道路移動式で、米国立公共政策研究所によると、「通常弾頭、核弾頭どちらも搭載でき、グアムに到達可能な中国初の精密誘導ミサイル」。

 グアムに駐留する米軍は、中国本土からの台湾攻撃に対する防衛で大きな役割を果たすことが想定されている。米インド太平洋軍は、台湾を巡って中国との戦闘が起きれば、戦略爆撃機B52、B2、B1が配備されているグアムがミサイルの標的となるとみている。

 ニュースサイト「ユーラシアン・タイムズ」が公表した衛星写真によると、中国は新疆ウイグル自治区の砂漠にグアムに似た形状の標的を設置し、ミサイル攻撃の演習を行っている。空母や駆逐艦の模型も標的として設置されているという。

 中国は20年にはグアムのアンダーセン空軍基地を攻撃する動画を作成し、ネットで公開している。

 パラオは、グアムから約1300キロ離れており、米軍の軍事演習にも使用されている。パトリオット・ミサイルの演習が最近、実施されたばかりだ。

 パラオに配備されるレーダーは、TACMOR(戦術移動式超水平線レーダー)と呼ばれる。監視能力は大幅に強化され、従来のレーダーより探知距離は数千㌔も延びるという。

 海軍はTACMORとともに、レーダーで集めたデータを遠隔のオペレーションセンターに送り、米国、同盟国にリアルタイムで共有する通信施設を建設する。26年にも完成する予定だ。

NASAが提供した映像からのこの画像は、2026年4月6日(月)、アルテミスIIミッションの宇宙飛行士たちが人類史上地球から最も遠い距離に到達した後、オリオン宇宙船の外部カメラから撮影された月の様子を捉えたものです。(NASA提供、AP通信経由)

トランプ氏、宇宙開発で新指針 年間1000機打ち上げ目指す

(2026年08月25日)
2019年10月2日に低速シャッタースピードで撮影され、米空軍が提供したこの画像は、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地で行われた非武装のミニットマン3大陸間弾道ミサイルの発射実験の様子を示している。スウェーデンのシンクタンクは2024年6月17日(月)、世界の核保有国9カ国は核兵器の近代化を続け、2023年には核抑止力への依存度をさらに高めるだろうと述べた。(JTアームストロング軍曹/米空軍提供、AP通信経由)

国防総省、中露の脅威受け核指針を見直し 抑止力を強化へ

(2026年08月22日)
2019年7月15日、ワシントンD.C.のホワイトハウス南庭で行われた「メイド・イン・アメリカ」展示会で、高高度防衛ミサイル防衛システム(THAAD)が展示された。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

米陸軍司令官「技術革新は戦闘の一部」 ウクライナとイランから教訓

(2026年08月18日)
2025年2月18日、スカボロー礁上空で、中国軍のヘリコプターがフィリピン水産局(BFAR)の航空機に接近飛行している。(AP通信/ジョエル・カルピタン撮影)

中国、南シナ海で支配強化 米国務省が「安定損なう」と異例の非難

(2026年08月16日)
017年12月3日(日)に米空軍が提供したこの写真では、ユタ州ヒル空軍基地の第34遠征戦闘飛行隊に所属する米空軍のF-16ファイティングファルコン(右)とF-35AライトニングIIが、韓国の群山空軍基地で行われた演習「VIGILANT ACE 18」中に滑走路の端に向かってタキシングしている。2017年12月4日(月)、米国と韓国が史上最大規模の合同空軍演習を開始し、24機のステルス戦闘機を含む数百機の航空機が訓練を開始した。(上級空軍兵コルビー・L・ハーディン/米空軍提供写真、AP通信経由)

中国元軍人2人逮捕 在韓米軍基地へのスパイ容疑

(2026年08月15日)
2026年2月12日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で、ウクライナ防衛連絡グループの会合開始を待つエルブリッジ・コルビー米国防次官(政策担当)。(AP通信/ゲールト・ヴァンデン・ワインガート撮影)

米国防当局者、中国への「現実主義」政策を提示 静かな外交、抑止力を強化

(2026年08月14日)
2026年7月24日、カリフォルニア州フォート・アーウィンにて、プロジェクト・コンバージェンス・キャップストーン6の一環として、第4歩兵師団第3機甲旅団戦闘団第8歩兵連隊第1大隊ブラボー中隊に所属する兵士たちが、エンドユーザー端末の設置計画を立てている。(米陸軍撮影:ジョナサン・レイエス特技兵、DVIDShub経由)

AIで戦場を一元管理 米陸軍、同盟国と大規模演習

(2026年08月10日)
第93ホロドニー・ヤール独立機械化旅団の報道部が提供したこの写真では、兵士たちが2026年8月4日火曜日、ウクライナのドネツク州クラマトルスク前線都市付近のロシア軍陣地に向けて、多連装ロケットシステムBM-21「グラード」を発射する準備をしている。(イリーナ・リバコワ/ウクライナ第93機械化旅団提供、AP通信経由)

対ウクライナ・米国戦争でロシア・イランが連携 兵器、情報を供与

(2026年08月08日)
韓国海軍の3000トン級潜水艦「新チェホ」が、2025年9月26日(金)、釜山近郊の韓国南東海岸沖で行われた観艦式に参加している様子。(AP通信/アン・ヨンジュン撮影)

韓国海軍、掃海・艦砲射撃能力に注力 ウクライナとイラン教訓

(2026年08月05日)
米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
→その他のニュース