下院共和党、エネルギー法案を可決へ

(2023年4月6日)

2022年5月4日(水)、サンアントニオで行われた選挙イベントで演説するヘンリー・クエラー下院議員(ラレド州選出)。17年間現職で、中絶反対派の最後の民主党議員の一人であるクエラーは、5月24日の予備選で進歩派のジェシカ・シスネロスとの決戦に臨み、最も厳しい再選挙キャンペーンを展開している。(AP写真/エリック・ゲイ)

By Ramsey Touchberry – The Washington Times – Wednesday, March 29, 2023

 下院共和党は、民主党議員の支持を得て、大規模なエネルギー法案を可決しようとしている。これによって、上院民主党とバイデン大統領に対する影響力は強まると共和党議員らは述べている。

 下院は30日に「エネルギーコスト低減法案」を可決する見込みだ。この法案はHR1と呼ばれ、長年共和党が優先してきた数十の項目を含む広範囲な法案で、化石燃料生産の促進や新規プロジェクトの迅速な承認により家庭のエネルギーコストを低減させることを目的としている。

 石油資源の豊富な地区選出の少なくとも2人の穏健派民主党議員、ビンセンテ・ゴンザレス、ヘンリー・クエラー両下院議員(テキサス州)は、共和党の法案を支持すると公言している。ところがこの法案は、両議員が昨年賛成票を投じたインフレ抑制法と呼ばれる税と気候に関する歳出法の条項を後退させるものだ。

 ゴンザレス氏は「この法案は完璧とは言い難いが、一歩前進だ。私は、党派を越え、上下院を越えてこの問題を進展させ、有権者のために成果を上げることができると考えている」と述べた。

 バイデン大統領が今月に入って、問題のワシントン犯罪法案を突然、撤回し、下院民主党を怒らせるということがあったばかりであり、こういった民主党議員の離反によって、エネルギー政策についてホワイトハウスと上院民主党に交渉のテーブルに着くよう圧力をかけられるという期待が共和党で高まっている。

 トム・エマー下院院内総務(ミネソタ州)はワシントン・タイムズに「共和党は民主党議員らに圧力をかけてはいないが、自ら公に支持を表明してくれている。多くの支持は期待していないが、2人は超えるのではないかと思っている。ジョー・バイデン氏の言葉を信じるかどうかという点では、上院も下院とほぼ同じ位置にいると思う」と語った。

 法案の作成を主導したスティーブ・スカリーズ下院院内総務(共和、ルイジアナ州)は、共和党は、今後のホワイトハウスとの債務上限交渉の要求リストにエネルギー条項を加えることを検討していると語った。

 スカリーズ氏は、「私は、これを債務上限交渉の一部としたい。エネルギーコストの高騰が、全米でも、特に地元の州でも家計に大きな負担になっていることを、多くの議員、特に来年の選挙に立候補する議員らは認識している」と述べた。

 共和党は、バイデン氏と民主党を、エネルギーコストを引き上げ、インフレを引き起こし、現職議員再選の障害になっているとして非難し続けている。

 共和党は、エネルギーコストを下げることはもちろん、クリーンエネルギー経済への移行に向けて民主党が変わることが必要だと主張している。

 しかし、ほとんどの民主党議員はそれを受け入れていない。下院共和党の法案を「汚染者優先法案」と呼び、上院民主党は「すぐに廃案になる」と言っている。バイデン氏も拒否権を発動すると脅している。

 民主党は、この法案が気候変動対策への取り組みを後退させるものであり、成立すれば強い圧力にさらされることになるという指摘も否定している。

 エネルギーコスト削減法案は、再生可能燃料と化石燃料を問わず、鉱山やエネルギープロジェクトの承認プロセスを加速させ、環境規制を削減し、液化天然ガスの輸出入規制を解除し、フラッキングと呼ばれる天然ガス掘削方法の禁止を解除し、州がパイプラインなどの州間エネルギープロジェクトを阻止するのを防ぎ、連邦政府管理地での石油・ガス掘削を促進し、天然ガス税や環境保護局の予算、数十億ドルを撤廃するというもの。

 共和党は、電気自動車用バッテリーのための鉱物採掘の拡大など、民主党が掲げるグリーン政策の重要な部分を推進するためにはこれらの条項が必要だして、法案をアピールしている。

 ゴンザレス氏もこれに同意しているようだ。ゴンザレス氏は、新しいインフラプロジェクトと手頃な価格のエネルギーの「恩恵を十分に享受するためには、連邦政府の環境評価と許可プロセスを改善しなければならない」と主張した。

 上院エネルギー委員会のジョー・マンチン委員長(ウェストバージニア州)は、民主党議員の中では保守的であることで知られ、すでに水面下で超党派の非公式なエネルギーを巡る協議を始めている。

 しかし、クリーンエネルギー事業には、より迅速な環境評価と承認が必要であることは、気候変動に敏感な人々も認めるところであり、法的な問題のおかげで何年もかかり、何百万ドルもかかることが多い。

 法案の作成を主導したブルース・ウェスターマン下院天然資源委員長(共和、アーカンソー州)は「彼らは環境の戦士になりたがっている。彼らのエネルギー政策は、これまで見たこともないほど環境破壊を進めている。プーチンの天然ガスは、私たちがここで生産するガスよりも47%汚れている。OPEC(石油輸出国機構)から石油を輸送しなければならないとすると、OPECの石油の二酸化炭素排出量は(メキシコ)湾で生産された石油の何倍にもなる」と述べた。

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