コロナ発生源、判断に消極的な情報機関
By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, June 28, 2023
何百万人もの犠牲者を出した新型コロナウイルスの発生源は、米国民が納得するほど解明されていない。しかし、米国の情報機関は、最も可能性の高い原因について詳しく調べようとせず、ただ見ているだけだ。
決定的な説明がないのだから、もっともらしい説明を探さざるを得ない。新型コロナは実験で作られ、武漢ウイルス研究所(WIV)から流出した可能性がある。中国が責任を取ろうとしない以上、米国は慎重を期して、中国から距離を置くべきだ。
国家情報長官室は6月23日、WIVと2019年末の新型コロナの発生との関連を分析した報告書を発表した。
報告書は「すべての機関は依然、発生源は自然発生と実験室関連の両方が、最初の人への感染を説明するもっともらしい仮説として残っているとみている」と結論付けた。
これでは、道路を横断する前に左右を見て、思い切って渡れずに歩道上で固まっているのと変わらない。
部分的に編集された10ページの分析は、研究所で科学的な不正行為があったことを示している。不正には次のようなものがある。
・「WIVの一部の研究者が、パンデミック(大流行)以前のある時期に適切なバイオセーフティー予防措置を取らなかった。
・「WIVの科学者はコロナウイルスに関する広範な研究を行ったが、これには動物サンプル抽出と遺伝子分析が含まれていた」
・「WIVの一部の科学者は、一般的な実験室の手法でコロナウイルスを遺伝子操作した」
さらに報告書によれば、2019年秋に発症したWIVの研究者のうち、「症状の一部は新型コロナと一致したが、新型コロナと診断されなかった」
国家情報会議と他の四つの情報機関は、パンデミックは「感染動物への自然暴露」から始まったとの見方を示した。
その原因動物を3年間も探し続けたにもかかわらずである。
中央情報局(CIA)ともう一つの機関は、新型コロナの起源についての仮説を提示しようとしない。「大がかりな仮説」や「矛盾する報告」があるためだ。
エネルギー省と連邦捜査局(FBI)だけが、可能性のあるシナリオを発表した。最初の発症は「研究所関連の事故」によって引き起こされたという見方だ。
今、米国の情報機関の頭脳集団は非常に慎重で、新型コロナの発生源を指弾することを拒否している。従って、米国民は中国と距離を置くことで、次の世界的大流行を阻止するしかない。この報告書は、よく言われるように、役所の仕事としては立派だが、それ以外にはあまり役に立たない。