ビル・ガーツ


中国が改正反スパイ法施行、外国企業への監視強化

(2023年7月8日)
 ヘインズ米国家情報長官(DNI)直属の防諜部門、国家防諜安全保障センター(NCSC)は、7月1日に施行された中国の改正反スパイ法について、情報当局の権限を強化するとともに、恣意的な運用によって、「外国企業、ジャーナリスト、学者、研究者に法的リスクをもたらす可能性がある」と警告した。
 改正反スパイ法によって、国家安全保障に関連すると見なされる文書、データ、その他の資料を押収または捜査対象とすることが可能になる。また、スパイ活動の定義は、国家機密に関する活動やスパイ活動から、中国当局が「国家安全保障」に関連すると見なすあらゆる文書、データ、資料、物品に拡大される。 →続き

ベトナム、映画「バービー」の上映禁止 親中映像に反発

(2023年7月7日)
 ベトナムの共産政権は、公開予定だった映画「バービー」のワンシーンで、中国が主張する南シナ海の領有を示す地図が登場するとして、国内での上映を禁止した。ベトナムの国営紙トイチェが発表した。
 ワーナー・ブラザーズが配給するこの映画には、中国の「九段線」(中国が領有を主張する南シナ海の海域を囲む境界線)を示すシーンが登場する。 →続き

台湾有事 対中海上封鎖は可能か-国防権限法案で米下院検討

(2023年6月30日)
 米下院は国防権限法案に、米軍による対中海上封鎖の可能性についての調査を盛り込むことを検討している。台湾有事の際に海軍による海上封鎖で中国の石油輸入を遮断することが可能かどうかの調査を国防総省に命じるもので、議会で中国による台湾への武力侵攻への警戒が強まっていることを示している。
 下院軍事委員会での23日の審議で、対中海上封鎖について調査し、半年以内に議会に報告するようオースティン国防長官に求める項目が盛り込まれた。 →続き

バイデン氏、習氏は「独裁者」 発言評価する専門家も

(2023年6月25日)
 2月に米空軍が大西洋上空で中国のスパイ気球を撃墜した際の対応について、バイデン大統領が、中国の習近平国家主席を「独裁者」と呼んだことに中国が強く反発している。
 バイデン氏は20日、カリフォルニア州で行った資金集めパーティーで「(スパイ気球を)撃ち落とした時、習近平国家主席が強く反発したのは、この気球のことを知らなかったからだ。…独裁者にとって、何が起こったかを知らなかったということは大変な恥だ」と述べた。ブリンケン国務長官が関係改善のために中国を訪れた直後のことだった。 →続き

米中国防トップがシンガポールで対決

(2023年6月14日)
 シンガポールで2日~4日に開催されたアジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)は、米中の国防トップが互いに牽制し合うなど、両国の緊張関係が際立った。一方でバイデン米政権からは中国に対し融和的な姿勢が目立ち、専門家らは懸念を示している。
 このところ、中国軍機が米軍偵察機に接近、台湾海峡を航行中の米海軍駆逐艦の前を中国の艦艇が横切るなど、中国による危険な挑発が続いている。 →続き

無人艇で潜水艦戦能力向上を 水中防衛能力高める中露-シンクタンク

(2023年6月11日)
 米シンクタンク、ハドソン研究所が戦略潜水艦に関する報告書を公表、中国とロシアが水中での戦闘・防衛能力を向上させているため、台湾海峡での紛争の抑止、敵国の潜水艦の追跡という米国の核搭載潜水艦が担う主要任務の遂行が困難になると指摘した。
 米軍は長年、潜水艦によって敵国に対し戦略的優位を保ってきた。一方、中露軍は近年、南シナ海、東シナ海、北極海での水中防衛能力の強化に取り組んできた。 →続き

中国軍備増強で高まる核戦争のリスク、米政権の戦略は不十分-報告

(2023年5月31日)
 中国の核戦力増強が急速に進み、核戦争の危険性が高まっている―。米国の有力研究機関が最新の報告「第二の核大国としての中国の出現」を公表、ロシアと新たな核大国を目指す中国の双方に対処するために核戦力を強化する必要があると訴えた。
 報告を作成したのは、ローレンス・リバモア国立研究所「全地球安全保障研究センター」の超党派の専門家グループ。米戦略軍のリチャード前司令官の要請を受けて作成されたもので、中国とロシアという二つの核大国に対処するため抑止力を強化しなければならないが、米国はその準備が整っていないと強く警告している。 →続き