国際


紛争の世界が迫る三年目のバイデン政権

(2023年1月1日)
 2023年、バイデン大統領は任期後半を迎える。ウクライナで終わりの見えない戦争を続けるロシア、北朝鮮から増大する核の脅威、そして中国の軍拡が周辺に位置するアメリカの同盟国にもたらす威嚇など、錯綜する世界の課題に直面していくわけだ。
 米政府の当局者は、ロシアのウクライナ侵攻に対応して西側を結束させたバイデン大統領の功労を賞賛したがる。しかし多くのアナリストは大統領の任期前半の二年間で、外交・国家安全保障上の成果と同程度か、それ以上の失敗もあったと見ている。 →続き

習主席が毛沢東の愛国衛生運動呼び掛け、「米細菌戦」プロパガンダ踏襲か

(2022年12月31日)
 中国の習近平国家主席は、「ゼロコロナ」政策が全土で強い反発を招いたことから、規制を緩める一方で、毛沢東が1950年代に実施したノミやハエを駆除するための「愛国衛生運動」を引き合いに出し、急速に広がる新型コロナウイルスへの対応を国民に呼び掛けた。
 愛国衛生運動は、ノミやハエなど「毒虫」を根絶することを目指して、50年代初期に実施されたものだが、中国共産党は当時、米国が朝鮮戦争中に細菌戦争計画の一環として、これら毒虫を拡散させた主張していた。 →続き

ウクライナ、地雷が今後の脅威に 米などが支援し除去訓練

(2022年12月30日)
 ロシアのウクライナ侵攻で、命が失われ、家、道路、工場、文化財などが破壊されている。一方で、それ以外にも長く傷跡を残す課題がある。ロシア軍がばらまいた地雷だ。ウクライナ政府は今月に入って、国内の約15万5000平方キロ(国土の約4分の1)が、2月の侵攻後にロシア軍が残した地雷や爆発物のために事実上、居住できなくなっていることを明らかにした。
 専門家らは、銃撃戦がやみ、ロシア軍が撤退しても、通常の生活に戻るまでには難題が待ち構えていると指摘する。これに対し世界各国が支援を行っている。米当局者らは、第2次世界大戦以後で最大規模の地雷撤去になると予測するが、戦闘がいまだ続いていることが、除去を困難にしている。 →続き

中国が台湾周辺で軍事演習、米の支援を非難

(2022年12月28日)
 中国は25日、台湾周辺で海・空軍の演習を開始した。中国政府当局者はその前日、領有を主張する台湾へ追加の軍事支援を認めた米国の8580億ドルの国防法案をめぐって、バイデン政権を非難していた。
 中国は、米国が台湾と共謀して「挑発をエスカレート」させたことが空・海軍訓練の引き金となり、緊張が高まったと非難した。 →続き

中国が前政権顧問らに制裁、チベット人権巡り報復

(2022年12月26日)
 中国政府は23日、米国人2人に制裁を科したことを明らかにした。米国が9日に中国西部チベットでの人権問題をめぐり、2人の中国当局者に制裁を科したことへの報復。
 中国外務省の発表によると、制裁対象は、ポンペオ前米国務長官の中国政策顧問を務めたマイルズ・ユー氏と「中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)」の副スタッフディレクター、トッド・スタイン氏の2人。中国内の資産凍結や入国禁止などが科せられる。 →続き

中国軍パイロットに飛行訓練 海軍元パイロット起訴

(2022年12月20日)
 米海兵隊、海軍の元パイロット、ダニエル・ダガン被告が、中国軍パイロットに空母艦載機の飛行訓練を行っていたとして起訴されていたことが明らかになった。ダガン被告は10月にオーストラリアで逮捕されており、違法な活動の詳細が明らかにされるのは初めて。
 9日に公表された起訴状によると、ダガン被告は、中国、南アフリカなどで「中国軍パイロットに空母へのアプローチ、着艦の訓練」を行った。2010年10月、12年の3月と11月に中国軍パイロットに訓練を施しており、ちょうど、中国初の空母「遼寧」の配備時期と重なる。 →続き

米国防総省、ウクライナへのパトリオット供与を準備

(2022年12月19日)
 米国防総省は、ウクライナ全土の主要インフラを破壊したロシアのミサイルとドローンの攻撃の連鎖からウクライナを防衛するために、迎撃ミサイル「パトリオット」を供与する計画の最終調整を行っていると報じられている。
 CNNが報じたところによると、ロイド・オースティン国防長官が供与を承認し、その後、バイデン大統領が最終的に承認する必要がある。 →続き