人種カード効かず無罪評決
By Editorial Board – The Washington Times – Monday, November 22, 2021
MSNBC(特にジョイ・リード氏)がネットワークの極左のゲストその他を相手に司会をするのを聞くと、人は2021年のウィスコンシン州ケノーシャは、(公民権運動活動家らが殺害された)1964年当時のミシシッピ州ネショバ郡と変わらないと思うだろう。
リード女史や、その他の人種的憎悪火付け人らは、2020年8月のジョセフ・ローゼンバウム氏とアンソニー・フーバー氏に対する正当防衛での殺人と、ゲイジ・グロスクロイツ氏を負傷させたことから成る殺人、殺人未遂および無謀な危険行為など、あらゆる容疑を掛けられていたカイル・リッテンハウス被告(18)に、ケノーシャの陪審員らが無罪評決を下した後、怒りをあらわにした。
告訴は間違いであり、直観と相いれない。リッテンハウス被告が銃で撃った人々が、リッテンハウス被告と同じ白人だったからだ。
さらに、検察でさえ、はっきり認めたように、乱闘の中で汚い言葉を投げ付けたのは、リッテンハウス被告ではなく、ローゼンバウム氏だった。
しかし、リード女史のような人種差別を自身のために利用してきた人々が、事件を不当に利用して、何の根拠もない人種的分裂をあおるのを防ぐことはできなかった。彼女は、リッテンハウス被告が裁判中に涙を流したことも攻撃し、「男のくせに、わざとらしい」と嘲笑した。それは人種差別主義者のすることであるのみならず、性差別主義者のすることでもあって、立場が逆転したら、それは、白人男性のテレビ司会者を停職や解雇に追い込みかねないことだ。
長年の人種問題活動家ジェシー・ジャクソン師も、「私には、人権デモ参加者らへの攻撃のように見える」としゃしゃり出てきた。
攻撃を誘発するようなことは何もしなかった17歳のリッテンハウス被告に重傷を負わせたり、殺害したりしようとした人々は、いつから「人権デモ参加者」になったのだろう。
そればかりか、ローゼンバウム、フーバー、グロスクロイツ氏らは、暴力犯罪で何度も逮捕されているが、リッテンハウス被告は犯罪歴がなく、陪審のおかげで、今もゼロだ。
しかし、バイデン大統領とそのスタッフらは、ホワイトハウスが19日に出した無責任な発表から判断して、それを知りもしなければ、気にも掛けず、リッテンハウス被告は正当防衛を行使したとして無罪となった後に、陪審員らを非難した。
バイデン氏は「ケノーシャの評決は、(語気を強めて)私を含め、多くの米国人の心に怒りと懸念を残すだろうが、私たちは、陪審員らが発言したことは認めなくてはならない」と述べたが、2020年の大統領選挙中の動画では――証拠も無く――リッテンハウス被告を「白人至上主義者」とひとくくりにしていた。
「ジョー・バイデン氏は公式にカイル・リッテンハウスさんに謝罪する必要がある」と、無罪評決後にツイートしたトム・コットン上院議員(共和、アーカンソー州)に私たちは同感である。
人種差別を利用することが――極めて長い間、乱暴に、無思慮に行われてきたが――ようやく、その脅し文句が威力を失いつつあることは、私たちに希望を持たせる。ことわざの「オオカミ少年」にあるように、信じる者はほとんどいなくなるからだ。