テキサスの二次性徴抑制ホルモンの投与問題

(2022年3月17日)

2022年3月1日(火)、テキサス州オースティンのガバナーズ・マンションで行われたセレモニーに到着したグレッグ・アボット知事は、サイト・セレクション誌から知事杯を受け取った。(Jay Janner/Austin American-Statesman via AP)

By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, March 10, 2022

 テキサス州のアボット知事とパクストン司法長官は最近、二次性徴抑制ホルモンの子供への投与を犯罪とし、それを児童虐待の一形態とする法的見解を発表し、主流メディアの標的になっている。この発表は「子供とじかに接触するすべての職業の免許を有する専門家」は、「性別適合手術」を受けていると考えられる人たちを州当局に報告するよう求め、報告を怠った場合、刑事罰を受けるとしている。

 この法的見解への反対者は、親は、自分の子供の「健康管理」についての意思決定権を間違いなく持っている以上、自分たちの子供の体に、そのような物質を投与することについての権限を保持すべきであり、そのような行為を犯罪化することは、政府による過剰介入に他ならないと主張している。しかし、私たちの考えはそれとは異なり、未成年の子供にそのような化学物質を投与することは、「医療」でもないし「政府による介入し過ぎ」でもないと強く言いたい。

 私たちは、これは、子供が同意するという精神的能力を欠いているとする法律上の「幼年期」にある未成年の子供を保護するための、憲法修正第10条に基づく州の規制権限の適切な行使だと考える。

 「テキサスバリュー」グループの政策責任者であるジョナサン・コビー氏は先週、ある発言の中で「未成年者は、塗料、たばこ、酒類を購入したり、タトゥーを入れたりすることさえ禁じられている。私たちは、未成年者やその親が、体の一部を切断・切除する処置や、取り返しのつかないホルモン療法といった、人生を変えてしまうような決定を下すことは許せない」と語った。

 しかし、未成年者ではなく、成人の親が、「医療」上の決定を下す責任を法的に負っているのだから、人生を一変させるような「医療」の決定を下す際、未成年の子供の精神的能力に頼ることは、法律の精神と矛盾する。そのため、ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙は、テキサス州の法的見解が、未成年の子供と、その親の両方の権利を奪っているとする記事を数回出した。

 このテーマに関する記事の中には、そのような「ケア」を否定することがしばしば自殺未遂」を招いているとさえ示唆しているものがある。ワシントン・ポスト紙は「性的違和」は、米国小児学会、米国医師会、米国心理学会を含む、米国のすべての主要な医師会によって支持されていると伝えている。

 若者が自殺を考える理由はいろいろなものが混ざっていて、主な理由、または、唯一の理由として、無理やり「性的違和」にこじつけることは、問題をもっと難しくする。

 そのような決定を下す権利を持つべき唯一の人は、幼児期を過ぎて、法定同意能力を獲得した後、自分自身で「(ジェンダー)移行」を受け入れる人である。

 未成年の子供は、自分でそのような決定を下すべきではなく、親も自分のために決定を下すべきではない。そのような決定は、子供が、「親の指導」なしに、情報に基づいて自分で決定を行うことができる同意年齢に達するまで取っておくべきものなのだ。要するに、二次性徴抑制ホルモンの子供への投与は極めて受け入れ難い危険なことだとみなすべきなのだ。

 二次性徴抑制ホルモンの子供への投与を犯罪とするテキサス州の法的見解は、子供や親のいかなる権利も否定するものではなく、幼時期に子供の権利を保護するために設けられた法定同意年齢になったら、権利を行使することが可能になる。その時、彼らはそれを行使する精神的能力を備えているのだから。

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