都市封鎖は正しかったのか-新型コロナ
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, March 30, 2023
多くの人々が新型コロナウイルスの経験を記憶の彼方に追いやろうとしているのも無理はない。何が正しくて何が間違っていたのかを明らかにしようとすると、今や神話に近い人物となっている多くの人々が恥をかくことになるだろう。
それでも、けじめは必要だ。私たちの安全を守り、新型コロナの蔓延(まんえん)を防ぐ責任を負っている人々は、多くの間違いを犯し、私たちの期待する成果を出せなかった。調査が必要であり、それは、単に成果を誇示するためではなく、新型コロナのようなものが再び、出現したときに備えておくべきだと考えるからだ。
変えるべきところが数多くある。不安な状況でも冷静でいるべきであり、体調が悪いなら病院に行くことを奨励すべきだ。新型コロナの感染拡大の間、メディア、公衆衛生当局、医師、政治家はそのどちらも行わず、それでウイルスを封じ込め、蔓延を防ぐことができると考えていた。
実際はそうではなかった。「繁栄のための委員会」の新しい報告書によれば、その結果、新型コロナ以外の原因で死亡する人が予想以上に増えた。シカゴ大学の経済学者ケイシー・マリガン氏とリサーチ・アフィリエイトの創設者で会長のロブ・アーノット氏は、研究「新型コロナウイルス以外の原因による死者数の測定」で、50歳未満の米国民の死者数の増加のうち、新型コロナ以外の原因によるものが多かった理由を説明しようとしている。
2020年と2021年に疾病対策センター(CDC)がまとめた死亡診断書データを、2022年の予備データも含めて徹底的に調べた結果、驚くべき結論が導き出された。マリガン、アーノット両氏は、指定した期間に通常の傾向線を超えて発生した超過死亡を測定し、少なくとも25万人の米国民が新型コロナとは無関係の原因で予期せぬ死を遂げていることを発見した。
この発見は非常に重要だ。都市封鎖による社会的孤立が心身の健康に与えた影響もさることながら、考慮すべきは経済的な問題だ。両氏によると、新型コロナとは無関係の超過死亡によって、約2兆5000億ドルに相当する生産量と生産性が失われた。
不吉なことに、マリガン、アーノット両氏は、こうした損失は将来も増加する可能性があると予測している。なぜなら、子供を家に閉じ込めておいた方がいいという証拠がないにもかかわらず、教員組合の要請で政治家が学校を閉鎖したために、子供が登校する日数が減少したからだ。
マリガン-アーノットの調査結果は、将来の感染拡大に対処するための戦略としての封鎖措置の有効性を疑問視させるものだ。この調査結果は、当時、多くの人々が示唆したように、新型コロナによって死亡する可能性が最も高いと考えられる人々を保護し、感染しても生き残る可能性が高い人々の暴露によって自然免疫が構築されるようにすることが、より安全で費用対効果の高い方法であったことを示唆している。
新型コロナが危険でないとは言い切れない。特に初期の段階ではそうだった。よく言われるように、「ただ立っているのではなく、何か行動を起こせ」ということだ。
マリガン-アーノットの研究が教えてくれるのは、「何か」をするだけでは十分でないばかりか、間違っている可能性すらあるということだ。次はもっと適切に対処しなければならない。新型コロナへの対応で何が間違っていたのかを解明しないままでは、適切な対処はできない。