「貧困の連鎖」脱却へ福祉受給者の就労要件求める米共和党

(2023年4月10日)

2015年1月12日撮影、ニュージャージー州ウェストニューヨークで、フードスタンプを受け付けていることを示すステッカーを表示するスーパーマーケット(AP Photo/Seth Wenig)。

By Haris Alic – The Washington Times – Sunday, April 2, 2023

 米下院共和党は、無駄な支出を抑制し、経済の人材不足を埋めるため、連邦福祉プログラムの大部分で就労要件の再確認を推し進めようとしている。

 共和党はこの数週間で、州政府が連邦政府予算による福祉プログラムの就労要件緩和を禁止する法案を提出した。また、子供のいない健常者が福祉を受給するのに働かなければならない年齢制限を49歳から65歳に引き上げることを求めている。

 共和党のジェイソン・スミス下院歳入委員長(ミズーリ州選出)は、「政府からの援助で一生を終えることは、誰の夢でもない」と述べた。「もしわれわれが福祉を正しく理解しないなら、政府からの小切手を仕事よりも価値あるものとし、労働の尊厳を奪うような貧困の世代的連鎖に人々を陥れる危険性がある」

 共和党は、バイデン大統領と民主党が支配する上院に対し、連邦債務の上限引き上げと引き換えに、この改革を受け入れるよう要求している。

 バイデン氏は上院議員時代の1990年代に福祉改革を支持したが、現在は断固反対している。民主党は、連邦政府がより多くの人々を労働力として誘導したいなら、貧しい人々に新たな負担を強いることなくそれができると主張している。

 特に民主党がホワイトハウスと上院を支配していることを考えると、共和党が成功する確率は高くない。トランプ前大統領の下で共和党が議会とホワイトハウスを支配していた時でさえ、就労要件拡大の試みは行き詰まった。中道右派の「政府説明責任財団」の試算によると、新型コロナウイルスによるパンデミック以前でも、就労要件の対象となったのは福祉受給資格を持つ4850万人のうち、わずか300万人だった。この中には、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)、公営住宅支援、フードスタンプ(低所得者向け食料購入補助)、「貧困家庭一時扶助」(TANF)による現金給付を受けている人がそれぞれ含まれる。

 州政府は、新型コロナ禍が始まって以来、就労要件をさらに緩和させている。

 厚生省によると、2021年には就労可能なTANF受給者の57%が就労時間ゼロを記録した。

 TANFは19年以降、受給者が4万人近く増えており、昨年9月時点で200万人以上に達した。TANFは受給者に毎月現金約500ドルを給付しており、連邦政府はこのプログラムのために年間約165億ドルを各州に送っていることになる。

 メディケイドとフードスタンプの受給者数も、過去3年間でそれぞれ同様の伸びを示している。

 「メディケイドはもともと高齢者、盲人、障害者ら、米社会では少なくとも最も助けを必要とする人々のためのものだった」。共和党のアール・カーター下院議員(ジョージア州選出)はこう語った。「それに立ち返ることは、おそらく有益なことだ」

 議会予算局(CBO)の試算では、連邦議会がメディケイド受給者に月80時間以上の労働を義務付ければ、33年までに1350億ドルを節約できるという。

 この改革は1990年代半ば以降では、初めて連邦福祉プログラムに手を付けるものだ。この改革では、社会福祉プログラムに連邦就労要件と収入調査を導入するとともに、職業訓練の選択肢を増やす。

 クリントン元大統領は再選を目指していた96年、「個人責任・労働機会調整法」に署名した。この法律は、州政府の福祉事業における自治権を強化し、連邦政府の役割を縮小するものだった。

 この改革の影響で、93年から2019年までにTANFとその前身のプログラムを通じて現金を受け取った受給者は85%減少した。フードスタンプの受給者数は不況などの経済的要因で常に変化し、メディケイドの登録者数は医療保険制度改革法(通称オバマケア)により爆発的に増加している。

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