大学では保守派を無視した卒業式が行われる
By Sean Salai – The Washington Times – Thursday, May 4, 2023
大学キャンパスで保守的な講演者はすでに少ないが、今春の大学卒業式では、左派の教育者、芸能人、政治家などが多い一方、右派は皆無に等しいため、さらに異例なことになるかもしれない。
尊敬されている学者であれ、最高裁判事であれ、あるいは元大統領であれ、ほとんどの米国の大学からのメッセージは明確だ。「保守派はお断りです」
連邦最高裁のクラレンス・トーマス判事は2008年にジョージア大学で、ジョージ・W・ブッシュ元大統領は2015年に南メソジスト大学で講演した。それ以降の数年間は、保守系やキリスト教系の小規模な私立大学に追いやられている。
ウィリアム・ベネット元教育長官は、かつてボストン大学のリベラルアーツ副学部長を務め、政治哲学の博士号を持つ。1985年から1988年まで当時のレーガン大統領に仕えるまでに、卒業式で33の名誉学位を受け取ったという。
それ以来、ベネット氏は保守系の小さな大学2校でしか講演していない。他の2校、パシフィック大学とワイオミング大学は、教授陣の反発を受け、講演を阻止されたという。
「レーガンという刻印が押された途端、入学式でのスピーチや名誉学位授与の招待が途絶えた」とベネット氏はワシントン・タイムズ紙に語った。「これはリベラル派の偏見だ。そして今、バイデン大統領はすべての保守派をMAGA(米国を再び偉大に)の過激派と結び付けている」
全米のアイビーリーグ8大学(ハーバード、プリンストン、イェール、コロンビア、ペンシルベニア、コーネル、ブラウン、ダートマス)は、いずれも今後数週間のうちに卒業生を前に講演を行うために保守派の講演者を招待していない。
幾つかの大学は、民主党員や同党寄りの講演者を招いている。
「われわれの大学はたいていのことはうまくやっている。ただ一つ行っていないことは、学生が異なる視点に実際に触れることだ」。ペンシルベニア大学の教育史の教授であるジョナサン・ジマーマン氏はこう述べる。「もし彼らがその責務を真摯(しんし)に考えるなら、キャンパス内で支配的な意見に共鳴するのではなく、それに挑戦する講演者を卒業式に招待するはずだ」
ディズニー映画「アナと雪の女王」のスターであり、ドナルド・トランプ前大統領を声高に批判するイディナ・メンゼル氏が15日、ペンシルベニア大学の講演者として登場する予定だ。
長年民主党を支持し、バラク・オバマ元大統領の大統領選のために運動を行ったことがあるオスカー俳優のトム・ハンクス氏は、25日にハーバード大学で講演する。
イェール大学には、2009年のオバマ氏の最初の大統領就任式で詩を朗読した同夫妻の友人である1984年の卒業生、エリザベス・アレクサンダー氏が登場する。
プリンストン大学では、アラバマ州選出の民主党下院議員で1986年の卒業生であるテリー・スウェル氏が講演する。
バイデン政権の中には昨年、卒業式で演説した閣僚もいたが、トランプ前政権では任期中にアイビーリーグの招待を受けた閣僚はおらず、大規模な大学の式典から排除されることになった。