FBI前長官、カトリック捜査巡り虚偽

(2025年6月10日)

2023年3月8日(水)、ワシントンの連邦議会議事堂で開かれた上院情報委員会の公聴会で発言するクリストファー・レイFBI長官(当時)。(AP Photo/Amanda Andrade-Rhoades)

By Kerry Picket – The Washington Times – Tuesday, June 3, 2025

 バイデン政権下の連邦捜査局(FBI)は、反カトリック的な捜査の規模を隠していた。FBIのレイ前長官は、2023年の1通のメモに限定されたものだと議会に説明していたが、新たに公開されたFBIの文書により、それが事実ではなかったことが明らかになった。

 これらのFBI文書は、上院司法委員会のグラスリー委員長が入手し、最初にワシントン・タイムズに提供された。

 文書によると、FBIは「過激な伝統主義的カトリック」に関して局全体で調査を行っていたにもかかわらず、レイ長官らFBI幹部はこれを1回限りのメモと説明していた。

 FBIはこの件についてコメントを控えている。

 グラスリー氏は2日、パテルFBI長官宛ての書簡でこの事実を明らかにし、レイ前長官の下でFBIが反カトリック的なメモを作成・流布した経緯、ならびに議会への不誠実な対応と透明性の欠如に懸念を表明した。

 この問題が公になったのは2023年2月8日。元FBI職員で内部告発者のカイル・セラフィン氏が、バージニア州リッチモンドFBI支局が作成したメモを公開したことがきっかけだった。そのメモでは、「過激な伝統主義的カトリック」は「反ユダヤ主義、反移民、反LGBTQ、白人至上主義的なイデオロギー」に従っており、「過激な思想信条や暴力的な言説」に傾きやすいと記されていた。

 しかし、新たに公開された文書によれば、メモの影響範囲はFBI当局が述べていたよりもはるかに広かった。

 問題のリッチモンド・メモ(2023年1月23日付、通称「ドメイン・パースペクティブ」)は、2023年2月2日に全米のFBI職員1000人以上に配布されていた。

 FBI内部からは、このメモに対する懸念の声は一切寄せられず、「過激な伝統主義的カトリック」がもたらす脅威への対応について、肯定的な反応だけがリッチモンド支局に届いたとグラスリー氏は述べた。

 ニューヨーク州バッファローのFBI支局は、他のFBI職員へのメールで、自分たちの管轄内にリッチモンド・メモで言及された二つのカトリック団体が存在すると伝えていた。これらの団体は南部貧困法律センター(SPLC)によって「ヘイト団体」とされていた。

 グラスリー氏はパテル長官に、このメールはFBIの他支局が偏った情報源に基づき、リッチモンド・メモを基に団体を監視対象にした可能性を示唆していると語った。

 さらに、リッチモンド支局はケンタッキー州ルイビル支局と連携し、同地域のカトリック伝統主義団体に関する情報収集を行っていた。

 リッチモンド支局はさらにオレゴン州ポートランドおよびウィスコンシン州ミルウォーキーの支局ともメモ作成に協力していた。

 グラスリー氏は、メモの準備に「偏った」「過激派」と見なされる南部貧困法律センターのような情報源を用いたことを厳しく批判した。

 グラスリー氏は、「この件に関する複数の書簡では、メモの準備、流布、SPLCといった偏向した情報源の使用、さらにはレイ前長官による議会への誤解を招く説明などが問題視されている」と述べた。

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