「航空の新時代」無人エアタクシーに現実味 インフラ・法整備など課題も

(2025年12月27日)

画像は、クリーブランド・クリニック・アブダビの施設における模擬エアタクシーサービスを表現しています

By Susan Ferrechio – The Washington Times – Wednesday, December 24, 2025

 自動運転タクシーの「ウェイモ」のことは忘れよう。次に来るのは空飛ぶタクシーだ。

電動航空機技術は急速に進歩しており、将来的には人や貨物を運ぶ、静かで自律飛行する機体が米国の空を埋め尽くすようになる。

 業界の企業幹部らによれば、数年以内に、垂直離着陸が可能で、一部は操縦士を乗せない航空機が、主要空港や地方空港を静かに行き交うようになるという。

 先進航空宇宙企業の最高経営責任者(CEO)カイル・クラーク氏は今月、米下院議員らを前に「これは現実だ。航空は完全電動化と先進航空モビリティー(AAM)へ移行している」と語った。

 バーモント州に本社を置くクラーク氏のベータ・テクノロジーズ社は、新興分野AAMで、自律飛行する電動航空機により人や貨物を輸送することを目指す数十社のうちの一つだ。

 ボーイングの子会社で米カリフォルニア州のウィスク・エアロの最高財務責任者(CFO)タイラー・ペインター氏は、米連邦航空局(FAA)の認証を受けた旅客用エアタクシーを他社よりも先に設計、製造することを目指していると述べた。機体に操縦士は搭乗しない。

 ペインター氏は12月4日の米議会公聴会で、「自律飛行は新しい、奇抜な技術ではなく、既存技術の応用だ」と説明した。

 議会とFAAはAAM技術を支持しており、次世代の飛行体を「全米航空システム」に組み込むための規則の整備を進めている。

 FAAは9月、垂直離着陸機に加え、無人航空機など他のAAM技術と連携して飛行する航空機を、統合・発展させるための実証プログラムを発表した。

 このプログラムでは、垂直離着陸型の旅客エアタクシーに加え、従来機よりはるかに短い滑走路で運用可能で航続距離の長い電動固定翼機も対象とする。医療搬送や貨物輸送向けの先進航空機の実証も行う。

 FAAは、「航空の新時代が来る」と宣言、約半世紀ぶりとなる新しい民間航空機のカテゴリー(垂直離着陸と、飛行機のように翼の揚力で水平飛行ができる)「パワードリフト機」を導入することを明らかにした。

 FAAによると、AAMとは、高度に自動化され、電動で、垂直離着陸能力を備えた航空機を指し、一般に「エアタクシー」と呼ばれている。

 実証プログラムでは、こうした機体に搭載される高度な自動化技術の安全性も検証される。

 公聴会では、業界専門家が、最新のセンサーや自動化装置により衝突防止や人的ミスの軽減が可能になり、従来の有人機より安全性が高いと説明した。機体には自動操縦、衝突回避、航法、飛行計画、地形検知の技術が組み込まれている。

 米カリフォルニア州のリライアブル・ロボティクスは、地上走行、離陸、飛行、着陸までを完全自動化する飛行制御システムを開発した。

 同社のロバート・ローズCEOは「これらの技術は命に関わる事故の主因を取り除き、人命を救う」と議会で述べた。

 同社は遠隔操縦による航空貨物輸送を小規模都市や農村部に拡大する構想を持ち、2年以内に米国初の遠隔操縦貨物航空会社となることを目指している。

 ローズ氏は最近、インド太平洋地域で自律飛行型のセスナ「キャラバン」を運用するため、米空軍と1740万ドルの契約を結んだ。

 下院運輸・インフラ委員会の多くの議員はこの先進航空機に前向きだったが、飛行場の混雑や管制官不足に苦しむ空港に、公的資金を投入し、新技術を導入することに疑問を呈する声もあった。

 連邦政府は近年、実証事業、地方空港の充電設備を支援する補助金、インフラ整備への直接投資、FAA認証の迅速化などを通じ、AAM分野に数十億ドルを投じてきた。

 共和党のスコット・ペリー下院議員(ペンシルベニア州)は、電池技術が未成熟で、重量増加や極端な高温・低温で航続距離が低下する点を理由に、AAMへの資金投入に懐疑的な姿勢を示した。

 ウィスクの機体は航続距離約90マイル(約150キロ)で、短距離移動向けに設計されている。

 ペリー氏は「まだ実用化されていないものに税金を使う話だ。運用前の段階で充電設備に金を払いたくないというのが納税者の本音だ。今直面しているのは空中衝突やニアミス、疲労によるミスといった現実の問題だ。概念よりも具体的対策を優先すべきだ」と語った。

 アルトン・アビエーション・コンサルタンシー社によると、AAM産業には世界で140億ドルが投じられ、2024年4月時点で1000以上の先進的な機体設計が存在する。実用化される機体1機当たりの開発費は最低10億ドルに上るとされ、運用にまで漕ぎ着けるのはごく一部だ。

 同社は「すでに多額の投資が行われているが、今後、さらに資金が必要となる。前進し続けるには、エコシステムを整備し、政府・規制当局の支援を取り付けることが不可欠だ」と指摘する。

 全米州航空当局者協会のグレゴリー・ペコラロ会長は、先進航空機は当初、小規模な民間空港で運用される可能性が高いが、受け入れには追加の連邦資金が必要だと述べた。

 「民間空港に電動・ハイブリッド機を支える電力を供給するには、送配電網の強化や新設備が必要で、コストは高い。安全運航のため、新たな通信・航法支援設備も設置しなければならない」

 また、昨年のニュージャージー州でのドローン騒動のような混乱を防ぐため、新型航空機に関する「積極的な啓発活動」を始めるよう政府に求めた。

 下院航空小委員会のトロイ・ネルズ委員長(共和党、テキサス州)は、AAM市場は2035年までに年間1150億ドル規模に成長し、28万人以上の高賃金雇用を生むと述べた。

 「米国が革新の先端をいくか、現状にとどまり、他国に新技術で追い抜かれるかだ」

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