同性婚は子供に有害 保守派が最高裁判決撤廃へ運動開始

(2026年2月3日)

このファイル写真では、2015年4月28日、ワシントンで最高裁判所が全米での同性婚を合法化した「オーバーゲフェル対ホッジズ」事件を審議中、最高裁外でデモ参加者がレインボープライドフラッグを掲げている。(AP通信/ホセ・ルイス・マガナ撮影)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Friday, January 30, 2026

 最高裁が同性婚を全米で合法とする判断を下してから10年がたち、大人よりも子供を優先すべきだという理念のもと、結婚の伝統的な定義を改めて確立しようという動きが右派の間で強まっている。

 40を超える保守系団体が「グレーター・ザン(もっと大切なこと)」キャンペーンの下に結集した。これは「結婚を取り戻す」運動であり、「自然な母・父・子の結びつき」を法的、文化的に最優先とする社会を回復させることを目指している。

 つまり、法律を制定したり訴訟を起こしたりして、同性婚を認めるとした連邦最高裁の「オーバーゲフェル対ホッジズ判決」(2015年)に異議を唱えるということだ。この判決は、最高裁が5対4で、同性婚の平等は合衆国憲法修正第14条の平等保護条項と適正手続条項によって守られていると判断したものだ。

 ケイティ・ファウスト氏が設立した子供の権利団体「ゼム・ビフォー・アス」は、1月28日にニュースレター配信サービス「サブスタック」で発表した声明で「結婚の定義を変更した国が、それを取り戻そうとした例はこれまで一度もない」と述べた。

 声明は「オーバーゲフェルから10年たったが、真実が変わることはない。同性婚と子供の被害は直接つながっている。きょう、グレーター・ザンを立ち上げる。子供は、平等を装う大人の都合に振り回されるべきでない。法によって結ばれ、守られ、文化によって尊ばれるべき母と父の権利がある」と訴えている。

 多くの米国人は「ゼム・ビフォー・アス」という名前を聞いたことがないだろう。しかし、グレーター・ザンのほかの加盟団体、フォーカス・オン・ザ・ファミリー、ファミリー・リサーチ・カウンシル、アメリカン・ファミリー・アソシエーション、コルソン・センターといった名前は聞いたことがあるだろう。

 この運動には、サザンバプテスト神学大学学長のアルバート・モーラー、プリンストン大学教授のロバート・P・ジョージ、さらにアビー・ジョンソン、アリー・ベス・スタッキー、スティーブ・ディース、マイケル・ノウルズ、ジョシュ・ハマーといった保守系インフルエンサーらも賛同している。

 プロライフ(中絶反対派)非営利団体「ライブ・アクション」のリラ・ローズ代表は、グレーター・ザン立ち上げの動画で、「オーバーゲフェル判決で結婚の定義が変更され、同性婚カップルが含まれるようになった時に言われたのは、大人にとっての平等の勝利だった。しかし実際には、子供にとっての不平等を生み出した。私たちの子供を『それ以下』の存在にした」と語った。

 団体名と青地に黄色の数学記号「>」を描いたロゴは、全米最大のLGBTQ団体であるヒューマン・ライツ・キャンペーンへの、あからさまな皮肉を表している。同団体のシンボルは、青地に黄色の「=」だ。

 グレーター・ザンは、オーバーゲフェル判決によって、性別に基づく親子関係が排除され、親と子供の生物学的な結びつきが軽視され、出生証明書の性別の変更が認められ、不妊の定義が変更され、生物学的なつながりがなかったり、養子縁組の審査をへたりしていない成人に親権が与えられたと主張している。

 ファウスト氏は「結婚において夫と妻を任意のものにしたとき、親権法において母と父も任意のものになった」と述べた。

 同氏は、ファミリー・リサーチ・カウンシルの番組「ワシントン・ウォッチ」で司会のトニー・パーキンス氏に、「これは子供にとって問題だ。母と父は決して任意ではない。それは常に生涯にわたる傷を残し、生きることそのものへの自信を失わせ、アイデンティティーの形成を妨げ、発達を阻害する。そして統計的にリスクの高い家庭に置かれることが多く、虐待やネグレクトの危険を高める」と語った。

 目標は、焦点を大人から子供へと移すことで世論を変え、教会を「子供中心の戦う力」として動員し、州法や政策を制定して、問題を最高裁に持ち込む道筋をつけることだ。

 ファウスト氏は「私たちは裁判所に選択を迫りたい。同性婚を取るか、子供が母と父を持つ権利を守るか、その両方はできない。裁判所は子供を選ぶと思う」と述べた。

 2024年のシンクタンク、ウィリアムズ研究所の調査によると、約200万人の子供がLGBTQの単親家庭で育てられており、30万人が同性カップルの親に育てられている。

 子供を持つ著名な同性カップルには、コロラド州知事のジャレッド・ポリス氏とファースト・ジェントルマンのマーロン・ライス氏、俳優のニール・パトリック・ハリス氏とデイビッド・バートカ氏、コメディアンのワンダ・サイクス氏とアレックス・サイクス氏、元運輸長官のピート・ブティジェッジ氏とチェイステン・ブティジェッジ氏がいる。

 子育てを巡る研究は、相反する結論を示してきた。母と父に育てられると最も良好な結果が得られるとする研究もあれば、同性世帯で育てられても同様にうまくいくとする研究もあり、双方が自説を裏付ける根拠としてきた。

オーバーゲフェル判決を覆す

 ピート・ブティジェッジ氏は2023年、「私たちの家族は、ほかのすべての米国の家族と同じように支えられるべきだ」と語った。

 確かに、保守派にとって道のりは険しい。2025年のギャラップ調査によれば、米国民の10人中7人近くが同性婚を支持している。

 トランプ大統領はこの問題に取り組むことに全く関心を示しておらず、スコット・ベセント財務長官は、子供2人を持つ同性婚のゲイ男性だ。共和党は2024年に、党綱領から同性婚への反対を削除した。

 一方で、女子スポーツでのトランスジェンダー選手の問題で守勢に立たされている民主党にとって、話題を同性婚に移す機会は歓迎すべきものだろう。

 「(ノーマルな)ゲイ・レッドネック」はX(旧ツイッター)に「オーバーゲフェル判決を撤廃しても、何一つ得るものはない。せいぜい、共和党候補を選挙で致命的に不利にするだけだ」と投稿した。

 しかし、右派の間での同性婚への支持は低下している。ギャラップ調査では、昨年の全体の支持率は68%と依然として高水準だったが、共和党支持者の賛成は2021年の55%から41%へと下がった。

 6月には、南部バプテスト連盟が「結婚は1人の男性と1人の女性の間のものであることを確認する法律」を支持し、オーバーゲフェル判決を覆すことを求める決議を圧倒的多数で採択した。

 昨年9月に開かれた「国民保守主義」会議では、ホワイトハウス関係者や共和党議員が登壇するなか、「オーバーゲフェルを覆せ」と題するセッションが設けられた。

 倫理・公共政策センターの研究員アンドリュー・ウォーカー氏は、この会議の存在自体が、時代の空気の変化を示していると述べた。

 ウォーカー氏は9月3日のXへの投稿で「オーバーゲフェルを覆すことについて議論することは、5年前には考えられなかった。主流の保守団体の多くは、この話題に触れようともしなかった。しかし人々は議論を続けてきた。その結果が今だ。次の10年で、このならず者的で現実を否定する判決を覆すために何かが起きると思っている」と強調した。

 このキャンペーンは、1973年に中絶を合法化した最高裁のロー対ウェイド判決を覆すまで49年を要したプロライフ運動と比較されている。

 長年、その努力は無駄だと見なされてきたが、2022年に最高裁はロー判決を覆した。

 コルソン・センターは1月29日の投稿で、「中絶問題でプロライフが何十年も続けてきたように、グレーター・ザンも、子供を守るために必要な法的・文化的取り組みに尽力する」と表明した。

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