AIツール「シーダンス」は著作権侵害 上院議員らが中国バイトダンスに閉鎖要請

2020年8月7日、中国・北京にあるTikTokの運営会社バイトダンスの本社前を、マスクを着用した女性たちが通り過ぎる。(AP通信/Ng Han Guan)
By Tom Howell Jr. – The Washington Times – Tuesday, March 17, 2026
米上院の超党派議員2人が、中国IT企業バイトダンスに対し、同社の人工知能(AI)ツール「シーダンス」の提供停止を求めた。米国法を考慮せず供給が開始され、「明白な」著作権侵害だとしている。
マーシャ・ブラックバーン(共和党、テネシー州)、ピーター・ウェルチ(民主党、バーモント州)両上院議員は、2月の「シーダンス2.0」公開直後、利用者が俳優ブラッド・ピット氏とトム・クルーズ氏の偽の乱闘シーンの動画を生成し、人気テレビ番組「ストレンジャー・シングス」の結末を書き換えた映像を作成したと指摘した。
両氏は16日付の書簡で、「バイトダンス製品による著作権侵害の中でも最もあからさまな例であり、シーダンスの提供を直ちに停止し、これ以上被害を出さないための実効性のある安全策を導入すべきだ」と訴えた。
バイトダンスは中国のIT企業で、ジョー・バイデン大統領が署名した法律により、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の過半数の株式を売却するよう命じられた。
第2次トランプ政権は、バイトダンスによる新会社「ティックトックUSDSジョイントベンチャーLLC」へのティックトック米国事業売却を支援した。
新たな米国版ティックトックには、オラクル、シルバーレイク、アブダビのMGXが主要投資家として参画している。
書簡は、米議会が依然としてバイトダンスの事業運営に懸念を抱いていることを示すとともに、新たなAIモデルへの法整備が追い付かなくなる可能性への警戒感を浮き彫りにしている。
議員らは、この新技術にどのような規制の枠組みを設けるかで苦慮している。予期せぬ影響を懸念する一方、他国がAIの導入を進める中で、米国の革新的企業の足かせとなることも避けたい考えだ。
「シーダンス2.0」は、映像と音声を組み合わせ、映画並みの短編映像を生成できる機能を備えている。
映画業界団体モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)は最近、映画スタジオの著作権侵害への懸念を理由に、バイトダンスに対して差し止めを求める通告書を送付した。
バイトダンスは声明で、「当社は知的財産権を尊重しており、シーダンス2.0に関する懸念を認識している」とした上で、「ユーザーによる知的財産や肖像の無断利用を防ぐため、既存の安全対策の強化に取り組んでいる」と述べた。
ブラックバーン、ウェルチ両氏は、同社が「民主的で自由市場経済の国々と持続可能な経済関係を築きたいのであれば」、シーダンスを閉鎖すべきだと主張した。
「責任あるグローバル企業は法律を順守し、知的財産や肖像権といった基本的な経済的権利を尊重する。バイトダンスは、トレーニング用データの利用許諾を取得する努力もせず、また違法で著作権を侵害する出力を防ぐ措置も取らないままシーダンス2.0を公開したことで、米国の連邦法に違反し、米国のクリエーターの知的財産を自社の利益のために盗む意思があることを示した」
両氏は昨年8月、生成AIの学習に自らの著作物が使われたかどうかを音楽家や芸術家、作家らが確認できるようにする「人工知能ネットワークの透明性と責任に関する法案(TRAIN法)」を共同提出している。
ブラックバーン氏はその際、「TRAIN法は、生成AIモデルのトレーニングに自分の作品が使用されているかどうかを裁判を通じて確認し、不正利用に対する補償を求めることを可能にすることで、クリエーターを保護する」と述べた。