米政府機関が国防総省の警告を無視して中国製ドローンを購入

(2021年10月17日)

世界で圧倒的なシェアを誇る消費者向けドローンメーカーである中国のDJIに対する米国の政治的・安全保障上の懸念は、Skydioやその他の企業が政府や企業の顧客向けにドローンを売り込む道を開いている。(AP Photo/Jeff Chiu)

By Ryan Lovelace and Guy Taylor – The Washington Times – Tuesday, October 12, 2021

 バイデン米政権は、中国製ドローン(小型無人機)とその部品がもたらす「サイバーセキュリティー上の懸念」について、国防総省が明確な警告を発したにもかかわらず、これを無視している。

 

 トランプ前政権が国家安全保障上の理由からブラックリストに入れた中国最大手企業からドローンの購入を進めているのだ。

 

 ワシントン・タイムズ紙が政府調達の内部資料を調査したところ、シークレットサービス(大統領警護隊)が中国ドローン最大手、大疆創新科技(DJI)製の商用監視ドローンを8機購入した。国防総省が7月に警告を発したにもかかわらずだ。

 

 シークレットサービスは購入についてコメントを控えている。だが、この契約は、シークレットサービスが米政府による特定中国企業の製品使用に対する規制にどの程度抵触しているのか、共和党議員による広範な調査の引き金となった。ただ、その製品はアマゾンなど電子商取引企業を通じて一般の米国民も手に入れることが可能だ。

 

 政府監視団体からも懸念が出ている。ブラックリストに入っている中国の技術を購入することは、連邦政府機関の「弱点になる可能性がある」と、ビデオ監視調査企業IPVMの事業責任者ドナルド・メイ氏は指摘した。同社が入手した政府調達資料によると、シークレットサービスは7月26日にDJI製ドローンに1万2792㌦を支払った。

 

 国土安全保障省が承認したこの取引は、国防総省が声明を配布した3日後だ。国防総省は声明で、DJI製ドローンは「国家安全保障に潜在的脅威をもたらす」とはっきり警告するとともに、米軍では2018年以降、DJI製ドローンの購入・使用を禁じていると強調した。メイ氏は12日、インタビューで「国防総省が7月にDJI製ドローンは国家安全保障上の脅威をもたらすとはっきり再確認した事実を考えると、シークレットサービスがDJIからドローンを数機購入したことは、非常に気掛かりだ」と指摘した。

 

 シークレットサービスは12日のワシントン・タイムズ紙の問い合わせに対し、DJI製ドローンの使用方法や中国企業に関する国防総省の警告を聞かなかった理由についてコメントを避けた。シークレットサービスのジャスティン・ウィーラン報道官は、電子メールを通じた声明で「任務上の安全を確保するため、シークレットサービスは任務上の手段や方法については議論しない」と語った。過去1年間にブラックリストに入っている中国製監視ドローンを調達しようとしたのはシークレットサービスだけではない。連邦政府の調達資料によると、シークレットサービスが購入したのと同時期に、連邦捜査局(FBI)もDJI製ドローンを購入しようとした。

 

 まずFBIは、4月に購入を正当化する文書を配布し、証拠収集班が「遠隔パイロットを新たに育成するため」に19機のDJI製ドローンを必要としていると主張。続いてFBI当局者は、ドローンを購入するため、DJIブランドの販売業者に見積依頼書を送付した。

 

 連邦政府のウェブサイトで公表されている注文書によると、FBIはその後、インターネットでDJI製品を販売しているアドラマ社から5万9671㌦分を購入した。注文したのは、国防総省がDJIについて警告を発する約1週間前で、FBIが何を購入したのか具体的には示されていない。

 

 FBI当局者が12日に匿名を条件にワシントン・タイムズ紙に語ったところによると、「FBIが調達した具体的な任務の備品についてコメントはできない。だが、FBIは一般問題として、安全保障や任務の安全を確保するためにあらゆる措置を講じていると国民に断言できる」と語った。

2024年4月23日火曜日、中国東部山東省青島市で中国人民解放軍海軍創設75周年を記念する一般公開日の終わりにミサイル駆逐艦「貴陽」の近くに夕日が沈む。(AP通信/ン・ハン・グアン)

インド太平洋軍司令官、中国の脅威を警告 戦力強化へ新規兵器に1220億ドル要求

(2026年06月19日)
ハイテクを駆使した政府のハッキング室で、中国軍関係者がハイブリッド戦争の一環として敵対国から国家機密を盗み出す作業を行っている。(写真提供:DC Studio via Shutterstock)

米FBI、偽コンサル会社13サイト閉鎖 中国の対米情報工作に利用

(2026年06月15日)
北京の米国大使館が主催した米大統領選挙関連イベント中、ホテルの外に米国と中国の国旗が掲げられた。政府報告書は、中国、ロシア、イランの諜報機関が、米国の企業、政府研究所、大学から企業秘密や専有情報を盗もうと躍起になっている様子を明らかにしている。(AP通信/アンディ・ウォン)

中国軍、求人サイト利用しスパイ勧誘 ファイブアイズが異例の警告

(2026年06月09日)
メキシコシティで行われたメディア向けプレゼンテーションでメキシコ陸軍の対ドローン部隊の兵士が2026年FIFAワールドカップで使用される装備と戦術を披露した。(AP通信/マルコ・ウガルテ撮影)

W杯、全米11都市で警備強化 ドローン対策が焦点

(2026年06月08日)
2026年4月24日(金)、北京で開催された中国国際自動車ショー2026で、ロボットが来場者を楽しませた。(AP通信/ン・ハン・グアン撮影)

中国製ロボットの販売を禁止 超党派議員らが法案提出

(2026年06月07日)

国防総省、中国系金融ネットワークに依存 米防諜契約に安全保障上の懸念

(2026年05月12日)

米海軍、優位性維持へ「ヘッジ戦略」 無人・電子戦システムに重点投資

(2026年05月07日)

中国企業、米軍の動きを追跡 衛星画像をイランが取得

(2026年05月06日)

「ゴールデンドーム」構想 新型迎撃ミサイル、レーザー、サイバー攻撃で敵ミサイル攻撃を阻止

(2026年05月04日)
2021年9月12日(日)、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地から地上配備型迎撃ミサイルが発射された。(AP通信/マット・ハートマン)

宇宙に迎撃ミサイル配備 米軍が計画初公表

(2026年04月28日)
→その他のニュース