犯罪が「歴史的減少」 FBI報告書に疑問

(2024年6月25日)

銃を手にしたFBI捜査官。ファイル写真クレジット:Shutterstock

By Matt Delaney – The Washington Times – Thursday, June 13, 2024

 バイデン米大統領をはじめとする米政府高官らが今週、大々的に宣伝した犯罪の劇的な減少について一部のアナリストは、データ収集のプロセスの不備が公共の安全について誤解を招くような楽観的なイメージで描かれているのではないかと疑問を呈している。

 米連邦捜査局(FBI)が発表した今年初めの3カ月間の「四半期統一犯罪報告書」によると、暴力犯罪は全国で15%減少した。メリック・ガーランド司法長官はこれを「歴史的な減少」の継続の一部だと述べた。

 バイデン氏が再選へドナルド・トランプ前大統領との選挙戦に臨むに当たり、犯罪に甘いとの非難から距離を置こうとしているホワイトハウスにとっては有利な展開だ。

 法執行に詳しい専門家や研究者によると、FBIに定期的に提出される警察の統計(現在政権が引用しているのと同じ数字)は通常、一貫性がないという。

 アナリストらは、信頼性の低いデータは連邦政府機関による全米の犯罪の集計結果を歪め、一般的に犯罪が実際よりも小さな問題であるかのように見せかけていると指摘する。

 「法と秩序と安全のための連合」のショーン・ケネディ事務局長は、「陰謀だとは思わない。急いでやったことだ。データを寄せ集めているだけだ」とワシントン・タイムズに語った。「これらのデータにはあまりにも的外れなものもあるので、警戒すべきだ」

 ケネディ氏は、その顕著な例として、ニューヨーク市警察の四半期報告書の殺人事件数を挙げた。

 ケネディ氏によると、FBIは1~3月までのニューヨーク市の殺人事件件数を46件としている。

 一方、ニューヨーク市警察のコンプスタット(犯罪取り締まりコンピューターシステム)のデータでは、同じ期間に82件の殺人事件が記録されており、その差は36件にもなる。

 全米の殺人発生率は今年、2023年より減少しているが、警察組織の数字はFBIの四半期統一犯罪報告書で最も注目すべき調査結果のいくつかに疑問を投げかけている。

 ケネディ氏によると、FBIのデータは米国最大の都市で殺人事件が前年よりほぼ半減したと伝えているが、それは全く事実ではない。

 「彼らの予測は50%も間違っている上に、間違った方向へ進んでいる」と研究者は語った。

 他の組織が集計した殺人事件件数も、FBI報告書の最も注目すべき調査結果の一部と食い違っている。

 人口150万人以上の大都市圏で1000人以上の警察官を擁する警察署の専門団体である大都市警察署長協会(MCCA)は先月、2023年1~3月までと今年第1四半期の殺人事件が約17%減少したとする調査結果を発表した。

 大幅な減少ではあるが、FBIが記録し、ガーランド氏とバイデン氏が称賛した殺人事件26%減には遠く及ばない。

 ケネディ氏は、問題は政府の適切な注意が欠如していることにあると指摘した。

 同氏によると、FBIの調査チームは各部署から正確な統計をとることに関心がないという。FBIはまた、特定の都市における年間の事件データを推定するため8~9カ月分の犯罪統計といった部分的なデータを得ている。

 ケネディ氏は、たとえ連邦政府が警察により多くの資金を提供したり、自主的な報告を提出しない場合は補助金を打ち切ると脅したりして警察に発破を掛けたとしても、警察の行動を変える効果はほとんどないだろうと述べた。

 全国事件ベース報告システム(連邦政府の記録管理システムで、通常は警察署が要求するものよりも詳細である)に記録するために人材を投資するのは、地元警察が喜んでやろうとすることではないというのがケネディ氏の考えだ。

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