バイデン氏の投票権をめぐる扇動
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, January 13, 2022
1月20日、バイデン大統領は、就任2年目に入る。1年前に行った就任演説で、(平和の象徴である)政治的なオリーブの枝を掲げて「私たちは、青(民主党)対赤(共和党)、地方対都市、保守対リベラルという無意味な争いを終わらせなければならない」と述べた。
スピーチの早い段階で、彼は国民に「きょうこの時、この場所で、新たに始めようではないか」と促した。
バイデン氏は11日、アトランタ大学センター・コンソーシアム(AUCC)で行った恥知らずで、扇動的な30分の辛辣(しんらつ)な批判演説の中で、――驚く者は誰もいないが、あらゆる点で民主党員に有利な――民主党が推進する二つの選挙改革法案の審議を妨害したとして、共和党上院議員らを非難した。(これには、自動有権者登録と当日投票、ほとんどの州の有権者確認法の無効化、早期投票と郵便投票の大幅な拡大、また、州選挙法の変更を、司法省による事前承認を受けるための人質として取っておくこと、などが含まれる)
その上で「あなただったら、どのように記憶されたいと思うか」「(マーティン・ルーサー)キング牧師の側に立ちたいか、(白人優越論者)ジョージ・ウォレス元アラバマ州知事の側に立ちたいか、(公民権運動の指導者)ジョン・ルイスと、(アラバマ州バーミングハムの警察署長、公安委員長だった)ブル・コナーのどちらの側につきたいと思うか。エイブラハム・リンカーンと、(米国の南部連合の臨時大統領)ジェファーソン・デイビスのどちら側につきたいと思うか」と問い掛けた。
「私たちの民主主義への脅威は極めて深刻であり、これらの選挙改革法案を可決する道を見つけなければならない」「…過半数を勝ち取ろう。そして、最低限の票獲得が阻まれたら、このために議事妨害を排除することを含め、上院の規則を変更する以外に選択肢はない」
昨年3月にワシントン・エグザミナーが引用した報告によると、「2020年に共和党は議事妨害を1回行ったが、民主党は327回だった」。バイデン氏はその時、無論、上院にいなかったが、私たちが知る限り、バイデン氏は民主党の議事妨害の乱用に対して一度も声高に反対しなかった。
連邦政府による選挙の乗っ取りと、極左的政策の議会強行突破を敢行するために議事妨害を亡き者にしたいと思っているバイデン氏と民主党議員にとっては、この「黒人差別待遇の遺物」とされるものが民主主義の障害になっているのである。そういうものが本当に存在すればの話だが。
「議事妨害が兵器化され、乱用されている」とバイデン氏は述べたが、バイデン氏がその発言が矛盾していることに気付いていないのか、国民が、彼や民主党議員の腰を抜かすような偽善に気付いていないと思っているかのどちらかだ。
少なくとも、2人の民主党上院議員が、党の厚かましい権力掌握欲を認め、それに同調していないことは褒められるべきだ。それは、米国の共和制にとっては大変良いことだ。