最高裁、未成年者の性転換治療を禁止する州法を支持

2024年12月17日、ワシントンのキャピトル・ヒルにある最高裁判所。(AP写真/J. Scott Applewhite)
By Stephen Dinan – The Washington Times – Wednesday, June 18, 2025
最高裁は18日、未成年者への性転換治療を禁止するテネシー州法を支持し、トランスジェンダーに関する法律は、憲法の平等保護条項を自動的に発動させるものではないとの判断を示した。
判決は6対3で、トランスジェンダーの問題に関する議論と医学の進歩の探求に一定の余地を残した。
ジョン・ロバーツ・ジュニア最高裁長官は、多数意見として、州がこれらの問題に取り組む上で「立法上の柔軟性」を与えることを最高裁は望んでいると述べた。ロバーツ氏は、判事は、憲法上の義務を課すに際して、慎重でなければならないと述べた。
「議論の中で、真摯な懸念が表明された。その影響は、すべての人にとって重大なものだ。平等保護条項は、これらの意見の相違を解決するものではない」
最高裁の3人の民主党系判事はこれに反対意見を表明、平等保護条項は性別による差別が関係するケースに適用され、性別と不可分のトランスジェンダーの問題と切り離すべきでないと主張した。
ソニア・ソトマヨール判事は、「最高裁は、この最も重要な場面で司法による有意義な審査を回避することで、トランスジェンダーの子供たちとその家族を政治的にもてあそんでいる」と述べた。
テネシー州の法律「SB1」は、出生時の性から自認する性への移行を希望する未成年者に対し、医師が思春期阻害薬などの薬物を処方することを禁止している。
半数を超える州が、未成年者に対するトランスジェンダー治療を制限する同様の法律を有している。
18日の判決は、これらの法律にしっかりとした法的根拠を与えるものだが、今そのような法律を有しない州にそれを強制するものではない。
代わりに、この判決は、トランスジェンダーの医療問題が憲法上どのように扱われるべきかという核心的な問題を提起した。
ソトマイヨール氏は、最高裁がボストック裁判の判決で既にこの問題を解決していると述べた。この裁判では、トランスジェンダーの従業員に対する雇用差別が市民権法に違反すると判断された。同氏は、この判決が性差別と性自認に基づく差別との深い関連性を示したと指摘し、医療の文脈でも同様の原則が適用されるべきだと主張した。
「この法律は、未成年者のホルモン療法や思春期抑制剤の使用を、その治療が本人の生まれたときの性と『一致しない』性へと転換する場合に限って禁じることで、出生時に男性とされた未成年者に対して、出生時に女性とされた未成年者には許容されているのと同じ治療を施すことを、必然的に妨げている(その逆もまた然りだ)」
ソトマイヨール氏は、女性を自認する生物学的男性の子供は、思春期抑制剤やエストロゲン治療を受けることは認められないが、生物学的女性は受けられることになると述べた。
しかし、ロバーツ氏は、そのような解釈はあまりにも狭義すぎると主張。個々の治療法のレベルではなく、その目的を基に考察すべきだと述べた。
「SB1では、性別違和、性同一性障害、性不適合を治療するために、未成年者に思春期抑制剤やホルモン剤を投与することは認められていない。しかし、性別を問わず、他の目的のために思春期抑制剤やホルモン剤を投与することは認められている」
これは、裁判所が差別問題をどのように扱うべきかという観点から、非常に重要だ。
性差別が明らかな場合、判事は「厳格な審査基準」を適用すべきと考えられ、そのため、州は重要な理由を提示しなければならなくなる。
最高裁がトランスジェンダー治療はそれほどのレベルに達しないと判断したことで、判事らは「合理的な根拠」と呼ばれるより緩やかな法的基準を適用するよう求められる。これにより、立法機関の裁量権が大幅に拡大される。
この訴訟は12月に審理され、バイデン政権時に司法省が、テネシー州の法律は差別的だと判断していた。
この訴訟は「米国対スクルメッティ」と呼ばれ、スクルメッティは当時のテネシー州司法長官ジョナサン・スクルメッティ氏の名から来ている。