バイデン「ブランド」の悪用

(2023年8月19日)

2023年6月22日、ワシントンのホワイトハウスで行われたインドのナレンドラ・モディ首相の公式晩餐会で、ジョー・バイデン大統領が乾杯の音頭をとる前に、来賓と話すハンター・バイデン。(AP Photo/Susan Walsh)

By Editorial Board – The Washington Times – Tuesday, August 15, 2023

 バイデンという「ブランド」がその一族を富ませるために売り出されるのをバイデン大統領が許したという、証拠に裏付けられた疑惑が明るみになっている。米国人は、バイデン氏が2期目の大統領に就任するのにふさわしいかどうかを判断する前に、こうした疑わしい活動についてもっと詳しく説明を受ける必要がある。

 民主党が一致団結して大統領を守ろうとしている今、資金の流れを追跡するのは共和党の役目だ。

 下院監視・説明責任委員会は9日、バイデン氏の息子ハンター氏とウクライナ、ロシア、カザフスタンの個人とのビジネス関係を詳細に記した19ページのメモを公表した。

 これらの取引はバイデン一族に2000万ドル以上の利益をもたらし、当時副大統領を務めていたバイデン大統領との関係も報じられている。

 バイデン氏を批判する人たちは、ハンター氏が2014年にウクライナのエネルギー企業ブリスマに年俸100万ドルで雇われ、それに続いてバイデン氏が、ブリスマの汚職疑惑を捜査していた検事を解雇しなければウクライナへの10億ドルの米国融資保証を差し控えると脅したという、疑惑を呼ぶ事実関係を追及してきた。

 議員たちは、ハンター氏のブリズマからの資金を証明する銀行の記録を提出した。父のバイデン氏が外交問題評議会の聴衆に向けて「あの野郎は、クビになった」と高圧的なやり口を誇らしげに語ったことを合わせると、これがバイデンブランドの効果的なマーケティングだとは到底思えない。

 同様に同委員会が作成した銀行記録の中で目を引くのは、2014年2月にユーリー・ルシコフ前モスクワ市長の億万長者の未亡人、エレーナ・バトゥーリナ氏からハンター氏への350万ドルの電信送金だ。その数カ月後、バイデン氏はワシントンのカフェ・ミラノで開かれた非公式の夕食会に出席し、そこにはこの富豪女性も招かれていた。

 ハンター氏は国際的な交渉人として活躍したわけだが、同氏の最高傑作である米国での税金未納と銃所持を巡る甘い取引は先月、デラウェア州の法廷で破棄された。

 ハンター氏を刑務所に送らないようにした政府内の検事であるデイビッド・ワイス連邦検事が11日に特別検察官に任命されたことで、ハンター氏はほっと胸をなで下ろしたことだろう。

 ハンター氏の元ビジネスパートナー、デボン・アーチャー氏が提示した証拠に基づいて、ワイス氏がバイデン氏の名前が一族の富の源泉であったと主張するようになるとは、今ではほとんど期待できない。

 一方、バイデン氏は、自らの公務と息子のビジネスとの関連性についての指摘は、どれも事実ではないと主張している。

 しかし、偶然の一致が重なれば重なるほど、その主張の信憑性は薄れていく。

 幸いなことに、議会の調査団はハンター氏の数百万㌦から家族の銀行口座への分配を追跡し、その流れがどこにつながっているのか確認することに励んでいる。そして、それがどこにあるのか、すでに見当をつけている。

 「これは必ず、バイデン一家が委員会で証言することで終わる」と、ジェームズ・コマー監視委員長は10日、フォックス・ビジネスに語った。「われわれは家族を召喚するつもりだ」

 米国人は、ジョー・バイデン氏の公的な肩書がバイデン「ブランド」を売り込む鍵だったのかどうかを知る権利がある。

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